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「白浪五人男」考

市民劇団「湘南座」でともに芝居を学んでいる仲間O君との雑談-。

焼酎をチビリチビリとやりながら芝居の話題が出て“弁天小僧”って面白そうだね、となり、あの魅力的な盗賊軍団「白浪五人男」は、実在の人物なんだろうか、という話になりました。

河竹黙阿弥の“七五調”リズムがカッコいい歌舞伎の世話物「青砥稿花紅彩画」(あおとぞうしはなのにしきえ)=通称「白浪五人男」=は、その解説によると、弁天小僧菊之助の出番がある場だけを上演するときは「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」と題が変わるのだそうです。

「白浪」とは盗賊のこと。日本駄右衛門を首領とする、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸、の計5人は、果たして実在の人物だったのか、という疑問です。

この件に関しては、弁天小僧菊之助は、女モノの着物を身につけた美少年、をイメージして生まれた架空の人物なのだそうですが、私が住む藤沢市(神奈川県)の湘南海岸に近いエリアから「江の島」は身近なところにあり、その島を舞台に悪事を働き、しまいには追い出されてしまうなど、札付きのワルとして定着している、この人物像には興味がわき、どこか身近にも感じます。

市の観光案内図には、島の中の「岩本院」(地図には「岩本院址」)がしっかりと記載されており、ここで弁天小僧菊之助が寝起きしていたことが記述されており、何やらこの小悪党は、後に日本駄右衛門の一味に加わったことで義賊のような扱いを受け、ヒーロー化されているのが面白いですね。

振り袖姿の武家娘に化けた弁天小僧菊之助が、南郷力丸をお供にして呉服店の浜松屋を訪れ、そこで難癖をつけて理不尽な強請(ゆすり)を繰り広げようとした矢先に正体がバレる場面は「知らざァ、言って聞かせやしょう・・・」の名文句で有名ですが、ここでお供にした南郷力丸は、実在の人物とされています。

親しみを感じる湘南地域の小悪党たち

このあたりは、私が住む藤沢市のお隣り、茅ケ崎市に住む友人のO君が詳しいのですが、茅ケ崎市南湖(なんご)2丁目の「西運寺」(JR東海道線「茅ケ崎」駅から徒歩約20分)には、彼の供養塔(力丸地蔵)が建てられているのです。

「南湖」ゆえんの「南郷」なのか、本名とされる南宮行力丸(なんぐう・こうりきまる)なのか、定かなことは分かりませんが、南湖生まれの南郷力丸は、江の島育ちの弁天小僧菊之助と悪ガキ・コンビを組んで湘南エリアで悪さを重ねていたのでしょうね。

茅ケ崎市内でも南湖エリアは、今でも言葉が荒く、私が住む藤沢市内でも鎌倉市との境にある漁師町の腰越は、独特の「やんべェ」とか「そうすべェ」とか“ベエベエ言葉”が残っていますが、南湖も同様で似通っています。

そこの舟持ちの息子だった南郷力丸の威勢の良さは分かろうというものです。地元のチンピラや悪ガキどもの兄貴株として肩で風を切っていたのでしょう。

まあ、そこに江の島から弁天小僧菊之助が加われば、鬼に金棒・・・おっと弁天小僧菊之助は架空の人物でしたっけ。

他に日本駄右衛門は実在の盗賊・日本左衛門をモデルとし、忠信利平は「義経千本桜」の佐藤“狐”忠信を、また赤星十三郎は実在した美少年の辻斬り強盗・白井権八を、それぞれモデルにしたと言われています。

こうしてみると面白いですねェ。

そろそろ梅雨の時期に入り、それが明ければ夏-。

湘南海岸エリアは、また人の波が押し寄せ、夏のにぎやかさに包まれます。昔々、この地を縄張りとした弁天小僧菊之助や南郷力丸のようなワルもまた、最近は取り締まりも厳しくなりましたが、懲りずに出現する季節となります。

日本駄右衛門の一味五人が「盗みはすれど非道はせず」という義賊だったように、今のせちがらい世の中で悪ガキどもに義賊の心意気があってもいいように思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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