FC2ブログ

「しぶといシブコ」の背景は?

近年のUSPGA(全米プロゴル協会)は、ツアーにおける各選手の各種プレーを詳細にデータ化(スタッツ=stats)するようになりました。

「stats」は「statistcs」を略したもので「統計」を意味しますが、ゴルフのプレーに関するスタッツは、プレーを数値化することにより、各選手の得手・不得手、強さ・弱さなどを分析することに役立ち、選手自身はもちろんですが、ゴルフ担当記者にとっても記事を書く上で大いに参考になる材料となります。

これはもちろん、米国だけの話ではなく、いいものはどんどん取り入れる国内男女ツアー界も右へならえで、当初の初歩的な平均ストローク、ドライビング・ディスタンス(ドライバーの飛距離)、フェアウエー・キープ率などから、次第にサンドセーブ率(バンカーからのパーセーブ率)やリカバリー率(トラブルからのパーセーブ率)などに幅が広がり、ここにきて「バウンスバック率」のようなものまで注目されるようになりました。

バウンスバック率とは、ボギー以下の悪いスコアを叩いたホールの直後にバーディー以上のスコアをマークする確率のことを言います。

普段はあまり注目されないこの数字が、にわかに脚光を浴びたのは、やはりというか、今、目を離すことが出来ない渋野日向子(20=RSK山陽放送)のプレーによるものでした。

日本人選手として42年ぶり2人目となる海外メジャーを制した前週の「AIG全英女子オープン」のときもそうでしたが、今週の国内ツアー「北海道meijiカップ」(8月11日最終日=北海道・札幌国際CC島松コース)でも相変わらずの“しぶとさ”でした。

最終日、4番(パー4)でダブルボギーを叩くと5番(パー4)でバーディー。7番(パー3)でボギーを叩くと8番(パー4)でバーディー。強い後半は16番(パー4)でボギーを叩くと大詰めの17番(パー3)と18番(パー5)で連続バーディーの猛反撃です。

高い数字を残す「バウンスバック率」

ボギーやダブルボギーなどを叩けば、平然としてはいられず、落ち込むのは当たり前ですが、直後にズルズルといかないメンタルの強さが渋野にはあるのでしょうね。ちなみに8月11日の時点で渋野のバウンスバック率は26・8456%(試合数19、ラウンド数61)でトップをマークしていました。

ところで…こうした数字によるデータは、プレーの結果によって出されますが、良い結果にしろ悪い結果にしろ、結果が出る前(ボールを打つ前)の状態は、データ化できない範囲にあります。

つまり、緊張度など心身の状態ですね。

出てきた数字にこの度合いは含まれませんが、メンタルゲームのゴルフにおいてはこれが肝心です。

前のホールで悪いスコアを叩いたとき、あるいはこのホールに勝負が懸かったとき、次のホールに向かうメンタルはなかなか“平常心”というわけにはいかないでしょう。

そのために各選手は個々に自分なりのルーティンを持ち心を整えていますね。

ボールに向かうときの歩き方、ボールに向かってアドレスに入る前のプレショットルーティン、など方法は様々ながら、選手たちは必ず“自分流”を持っていて…例えば必ず後方に立って飛球線を確認したり、決まった回数の素振りをしたり、またアドレスの際に決まった足踏みをしたり、そうすることによってメンタルを落ち着かせていますね。

高い数字のバウンスバック率に関して渋野の取材に当たっているスポニチ本紙の担当記者は「17、18番は取りに行った。終盤取れるなら最初から取れよ、という感じですけど…」という渋野らしいコメントを報じていました。

ボールを打つ前のプレショットルーティンに関しては、渋野はアドレスから打つまでのテンポが結構速く、特に目立つものはありませんが、まあ、決めたら迷わずに打つ、といった感じのその速いリズムこそが彼女のルーティンなのかもしれませんね。

いずれにしろ、随所にのぞき見える20歳とは思えないメンタルの強さが「しぶといシプコ」を生んでいるのでしょうね。

何とも頼もしいことです。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR