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「夕鶴」への挑戦④~台詞を入れる~

演出を手がける「湘南座」座長のI氏から「11月9日の稽古から台本なし!」が言い渡されました。

いよいよ、というか、ついに来たるべき日が…といったところです。これまでの台本に書かれた台詞を読む段階から、台詞を“入れる”段階に移行したわけですね。

台本片手に書かれた台詞を読んでいる段階は、まあ、自分の台詞を覚えたり(暗記したり)、相手の台詞とのタイミングなどを計ったりしている、動きのない段階でしょうか。

それを終えて台本を手離す段階を、台詞を“入れる”と言いますが、入れるとは言い得て妙、台詞の暗記と違うことは、相手の台詞や動きを受けて自分の台詞も自在に対応出来るようにすることなのですね。

一方、それは、台本に書かれた台詞を自分のものにすることでもあります。自分のものとはもちろん、与えられた役のもの、私の場合は悪役の「惣ど(そうど)」という人物のものにすることです。

これに関して以前、座長のI氏から、それぞれが演じる役の履歴書を書いてくるように…と言われましたが、この試みは、想像力を駆使して役柄の人物像を把握、台詞の言い回しや態度・行動に反映させるという意味で大切なことなのだ、ということが分かってきます。

しかし…実は、この履歴書提出には後日談がありました。

鶴の化身「つう」役、その亭主「与ひょう」役、私の役「惣ど」とコンビを組む「運ず(うんず)」役の4人は、一生懸命に想像を巡らせ、役の履歴書づくりに励んだのですが、その力作にざっと目を通した座長のI氏が言ったのです。

役柄になり切った台詞を…

「『つう』は鶴だし『与ひょう』は水呑み百姓。『運ず』は小作人のせがれ。いずれも学問など受けておらず、4人のうちで多少、読み書きが出来て金の計算も出来るのは『惣ど』だけなんだよな。だから『惣ど』以外の3人は、履歴書なんか書けず、出せないんだよ。出してこないのを期待していたんだが…」

ク~ッ、そう来るのですか。まったく…ア然! それはないでしょ! といった感じでしたが、まあ、こういうところまで細かく、それぞれが役柄を注意深く分析していなければならないぞ、ということなのでしょう。

さて今回のテーマである「台詞を入れる」というやっかいな作業ですが、私は初めて舞台に上がった昨年秋の演劇公演の際、台詞の覚え方として、台本から自分のセリフだけを抜き出してレコーダーに吹き込み、常に耳で聞いているという方法をとりました。

これは確かに、自分の台詞だけを覚える、ということでは効果がありましたが、全体の中で相手に台詞・動きに対応する「台詞を入れる」ということに関しては「×」であったことを知らされました。

従って今回は、台本を繰り返し読み、流れの中での自分の台詞を頭の中に叩き込む方法を取っているのですが、実際、台本なしの稽古になると、これまで台本を持っていた片っ方の手が寂しく(むしろ不安…)で、さまざまな動きが加わってくる分、台詞がおろそかになり、つっかえつっかえになってしまいます。

これをどうにかしてスムーズにことが運ぶよう稽古に励むしかありません。

予定表には11月17日に実際の舞台を使って通し稽古が行われることになっており、これまでには仕上げておかなければ…ですね。

焦る気持ちと“やるっきゃない”の気持ちに交互に見舞われる日々です。

(*このシリーズは「演劇」のカテゴリに収めてあります)
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演技

演技ってさほど難しいものではありません!役になりきる❓そんな事できる訳が有りません。もしも自分が…と、真似れば良いのです。猿みたいに…でも猿と違うのは、役者の個性、らしさが加薬されるところです。
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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