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「夕鶴」への挑戦⑥~窮地に陥る~

気持ちと体の硬さは、演技の大敵のようです。

本番まで一週間となった11月23日の稽古で演出を務める「湘南座」座長のI氏から「全然ダメだな。芝居になってない」というキツ~い言葉を頂戴してしまいました。

日々の稽古も大詰め。これから本番に向けて調子を上げ、乗っていきたい時期。それだけに私にとっては相当に落ち込む“お叱り”でした。

稽古終了後、思い切って聞いてみました。

「芝居になっていないというのは?」-。

座長のI氏が言います。

「全体的に力が入り過ぎているんだよ。だから台本の台詞を読むのが精一杯で演技が出来ていない」

ウ~ン。確かに私の動作は、以前から指摘されていたことなのですが、力みが目立ち(気持ちも体も)硬く、自分では普通に立っているつもりでも、知らずのうちに手の指が突っ張っていたりして、座長には「その指、何? 普通に普通に…」などと注意を受けていたものでした。

そんな心身状態ですから、日ごろ、何でもない自然の動作も、芝居の中ではスムーズにいかず、ぎごちなくなってしまうのでした。

もう一つ、これはある意味、致命的な欠陥? かも知れないのは、相手との“アイコンタクト”が取れていないことでした。

相手に対して台詞を言います。とたんにI氏から叱責の声が飛んできました。「おいおい、どこを見てしゃべっているんだ」。確かに相手に向かって話す台詞を、私は視線を下に落として話していたり、また目玉をキョロキョロさせていたりしてしまいます。

視線は演技の命

「視線は一番大事なんだ。客席のお客さんは、役者が下に視線を向ければ、そこに何かがあるのでは? と目を向けるんだよ。何の意味もない視線や動作はいらない。やるならすべてに意味を持たせてくれよ」とI氏-。

まあ、言われてみればその通り、なるほど、と思うのですが、実際はそこまで神経が行き届かないのが現状、私のレベルなのですね。

私と台詞のやりとりをしている経験豊富な役者のIさんが言いました。

「ボクの目をしっかり見ながら話して下さいよ。見るときは見る。視線を切るときはしっかり切る。そのメリハリが演技を生き生きさせるのですから…」

ただ…相手の目を見ながら話すということは、横向きで話すことになるのですね。

役者は舞台の上で基本的に客席に向かって話します。私もさんざん、歩いているときなど客席にお尻を向けないこと、そうならないような足さばきを学んでほしい、客席に背中を向けて話さないこと、など基本的なルールを教えられました。

ですから、相手の目を見て話すにしても、顔が後ろ向きにならないような工夫をすることなどが、一つの技術として必要になってくるのですね。

稽古中の出来事-。

私と悪役コンビを組む「運ず」役のAさんに座長のI氏が注文を出しました。

「客席に向かって話しながら、視線は後ろに向けておいてくれよ」

さすがにAさんは「こりゃ難しい」と目玉の動かし方に苦慮していました。

まあ、それだけ視線というのはおろそかにできないということなのですね。

いろいろと指摘を受け、考え始めたら、あれも出来ない、これも出来ない、ばかりの私は、文字通り、窮地に陥り、頭を抱え込んでしまいました。

本番までの数日、私にとって、は寝ても覚めて…の日々になりそうですが、やるっきゃない! と自分に言い聞かせています。

(*このシリーズは「演劇」のカテゴリに収めてあります)
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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