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「除夜の鐘」は騒音か?

早いもので12月も下旬に入り、慌ただしさの中、毎年のことながら“年越し”の行事が近づいてきました。

そんな中のひとつ、大みそかから新年にかけての“風物詩”ともいえる除夜の鐘、あのゴ~ンと夜空に響く音に近年、うるせ~ぞ! というクレームが連発しているというのです。

東京・小金井市の「千手院」が2014年、近隣住民の苦情を受けて中止したという話は当時、ビックリさせられたものですが、それらは各地に飛び火、深夜を避けて昼間に行うなどお寺側も対応に苦慮しているようです。

鐘を108回突く除夜の鐘は、人間が持つ百八つの煩悩を鎮めるなどの精神性があり、特に高齢者層に支持されて来ましたが、その高齢者層がときを経て今は、参拝より就寝を優先させざるを得ない時間帯となり、音で眠れず体調を崩す、などと言われれば、ウ~ン、これも時代の流れか、と受け入れざるを得なくなってしまうのでしょうか。

騒音と言えば以前、神戸市東灘区の保育園での“子供の声”が「うるさい」と近くに住む70代の高齢男性が、防音設備の設置や慰謝料100万円の支払いを求める訴えを起こしたという出来事があったことを思い出します。

2016年には千葉県市川市で同年4月に開園を予定していた私立保育園が、近隣住民たちの「子供たちの声でうるさくなる」との反対運動で開園を断念したという出来事もありました。

除夜の鐘を騒音とする受け止め方…。保育園で遊ぶこどもたちの声を騒音とする受け止め方…。かつてはあって当たり前だったこうしたことへの拒否反応をどう判断したらいいのでしょうか。

“音”が神経をとがらす時代

私は今、居住している集合住宅(マンション)に移り住んで約17年になります。その間、輪番制で回ってくる管理組合役員のお役目で理事長を拝命したときがありました。

その期間中、居住者の苦情で一番多かったのが、生活騒音に関することでした。

上の部屋から下の部屋に響く、バタバタというスリッパの音、ドアが閉まるバタンという音、子供たちが走り回るドンドンという音…苦情を訴えた居住者は、極めて冷静に「許容度はわきまえているつもりですが、日々の問題となるとやはり…」と話しました。

集合住宅における、この種の騒音、生活音の問題は、いわゆる「感情公害」であり、音を出す側とそれを受ける側の感覚に差があり、解決策がなかなか見つからない、というところに限りない難しさを秘めています。

つまり、自分の子供たちが、力余って部屋の中を駆け回ることは、元気であることの証明であり、親としては、コラコラおとなしく! 程度の感覚でニコニコと見守っているのが普通でしょう。

では逆にその音を聞かされる側になると…「踏まれた足の痛みは踏んだ側は分からない」の悪循環です。

生活騒音は別の問題として、子供のたちのにぎやかな声を騒音と感じることで起きるさまざまなトラブルは、広い視野で見れば、地域全体で子供たちをのにぎやかさを見守ろうとする、以前はあっただろう共同体意識が次第に薄れ、それぞれが「個(あるいは孤)の時代」に入り込んでいることが原因となっているからかもしれません。

夏の行事である「盆踊り」や「夏祭り」が出す太鼓や笛の音を「うるさい」とする苦情。あげくは聞こえてくる「風鈴」の音さえももうるさい-。

こうなってしまっては「除夜の鐘」も立つ瀬がありません。

「子供の声なんてもともとうるさいものだろ。それを許容するのが大人ってもんじゃないか。子供がうるさくなくなってどうするのよ」とこうした傾向を嘆く声も-。

どうにも“ゆとりのなさ”を感じるニッポンの傾向を何とかしたいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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