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2人の名伯楽に見たもの

神奈川県の藤沢と鎌倉を結ぶ「江ノ島電鉄」(通称=江ノ電)の「藤沢」駅から5駅目が「江ノ島」駅です。

駅前から海岸に向かう土産物店が並ぶ「洲鼻(すばな)通り」の一角に「大沢」の表札がかかった家がありました。

私がまだ小学生だった1950年代半ば-。

その「大沢」の家の長男とは同い年で学校は違いましたが幼なじみの遊び仲間でした。

ある日、その長男が「今日は叔父さんが来るんだ」と言い、やがて姿を現したのが当時、南海の外野手だった大沢啓二さんだったのです。「ヨッ、坊主たち」と言って肩を叩いてくれたことは今でも記憶の片隅に残っています。

それから年月が経ち、スポニチ本紙の記者となった私は、某年のある日あるとき、長男から「叔父さんが母校(神奈川県藤沢市内)の小学生たちに野球を教えるぞ。来ないか」と連絡があり、私は見学のつもりで出掛けました。

このときの大沢さんは、確かロッテの二軍監督を務めていたと思いますが、集まった小学生たちへの指導法は①(ボールは)思い切り投げろ②(バットは)思い切り振れ③(捕球は)体の真ん中で-の3点だけでした。ボールがどこかへ飛んでいっても、空振りしても、トンネルしても、まったくお構いなし。大沢さんは「今はこれでいいんだよ」と言ってグラウンドを後にしました。

根底に流れる共通項

それからまたまた年月が経ち、私は沖縄・名護市で宮里優さんに会っていました。宮里藍さんら3兄妹をプロゴルファーとして世に出した父親の優さんの元には、全国から、親が“藍ちゃんのように”と願う少年少女たちが集まっていました。

そこで優さんが指導したことは、当たらなくても、球がどこに飛んで行ってもいいから、とにかく思い切り(クラブを)振りなさい、でした。当然、見守る親たちからは、一日も早く藍ちゃんのようなボールを打てるように・・・との要求が優さんの周りに渦巻きます。

優さんは私に言いました。

「子供の指導に当たって一番の敵は“親の欲目”なんですよ。子供たちは、まだゴルフが好きかどうかも知らずにここへ来ています。親が余計な期待を懸けることでゴルフが嫌いになってしまっては潰れてしまうでしょう。この段階ではノビノビと遊んでいればいいんです。そして第一にゴルフが好きになることが大事です」

それを聞いて私の記憶は、あの日あのとき、大沢さんが指導していたことを思い出し、大沢さんが子供たちに何を求めていたか、がやっと明確になります。

それにしても・・・名伯楽たちの指導法は、スポーツのジャンルが変わろうと根底に共通項があるのですね。

こういう出来事・・・つまり、関係がないと思われた点と点が思いもかけずに線で結ばれたりすることは、本当に面白いことです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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