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紙面に活気が戻るのはいつ?

先日、現役の後輩ベテラン記者から電話が掛かってきました。2~3の打ち合わせの後、気になって「社内の体制はどうなっているんだい」と聞いてみました。

「いや~静かなものですよ。ボクら外勤記者は、ほとんどがテレワークです」と後輩記者。新聞製作には、外勤記者が書く記事のほか、それを収める紙面のレイアウトや大事な見出しづくりに携わる整理部と誤字脱字などに目を光らせる最終チェック部門の校閲部など内勤部門がありますが「彼らは社内で仕事をしていますが、それぞれ席を離して座り、やはり今、大声が飛び交うなど日々の紙面づくりに欠かせない“熱気”が感じられなくなっていますね」と話していました。

まったく忌々(いまいま)しい限りですね。

新型コロナウイルス禍によるさまざまな規制、自粛の要請が、仕事の形を変えてしまっています。この出来事がいずれ終息の方向に向かったとしても、果たしてこういう働き方が元に戻るのかどうか、と気になってしまいます。

古い話ですが、私がスポニチ本紙に入社した1969年(昭和44年)当時、編集局は東京・港区芝の年季の入ったビルにありました。(現在は東京・江東区越中橋の近代的なビルです。念のため…)

そのころの編集局内の凄さは、こんな例で語らしてもらいましょう。ある日、私と同期の友人がこのビルに私を訪ねてきて、ドアを開けた途端、中から叩きつけるように飛び出してきた熱気に襲われ、入れずに退散してしまった、という話です。

何しろその当時、編集局内のエアコンなどは、あってないようなもの。夏季など内勤の整理部の面々は、暑さのために下着姿になり、頭にねじり鉢巻き、バケツの水に足を突っ込んで仕事をしていました。

仕事にならない数々の自粛要請

今、一生懸命に仕事をしている後輩たちの名誉のために言っておきますが、そうした光景は、あくまでその当時のもの、と受け止めて下さい。まだ地下の工場では、植字工の方々が、鉛の活字をそれこそ芸術的な速さで拾い、それぞれに腕を振るっていた時代です。

こうした時代に輝いていたのは、何といっても「3密の議論」でした。整理部で働く人たちは、朝起きたときから、その日の出来事を想定し、いくつかの見出しを既にひねり出した後で出社するのが常だった、と聞いています。

だから最終的な見出しを決めるとき、3密状態の中、それこそ「口角泡を飛ばし」…今なら“自粛警察”に大声で叱られるだろう状況で熱く紙面をつくっていたのですね。

では外勤記者はどうだったでしょうか。何も持ちネタがなくて社内でブラブラしているとすぐ、その日の紙面づくりを担当しているデスク(部次長)から、怒声が飛んできました。「外へ行ってこい!」と。「喫茶店でコーヒーを飲んでいるだけでも、社会の雰囲気、今、何が話題になっているのか、などがわかるだろ。おメーら駆け出しはまず、敏感を鍛えろ。そして何でもいいから一日1本以上(原稿を)書いて出せ」といった尻の叩かれ方です。

新型コロナウイルスの感染拡大のため「緊急事態宣言」が発令され、とにかく人との接触を回避するための策、つまり「不要不急の外出自粛」や「最低7割、極力8割の削減」「社会的距離(約2メートル)を保つ」などが強く要請され、今も続いています。

それは、人と会ってまず、話を聞き、そこから仕事が始まる記者稼業にとっては致命的なことですね。

過日、プロボクシングのWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)の近況を聞くため、ボクシング記者会から質問が出され、そのアンサーが各社に配布されるという出来事がありました。

大橋ジムが当面、閉鎖されたこともあり、直接取材できなくなったための緊急的な措置ですが、個々の取材で新しい出来事を紙面に反映させたい記者としては、やむを得ないことながら、歯ぎしりしたくなるような状況でしょう。

一日も早く終息して元の姿に戻りたいものですね。

やはり、プロ野球の試合など、あって当たり前だったスポーツの中継がないということは寂しいものです。そして何よりもスポーツの現場とファンを結ぶ記者たちの動きに活気が出てこなければ、どうにもやりきれません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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