善意が及ぼす波紋は?

昨4月17日の日曜日は、久々に男女開催のプロゴルフツアーをジックリとテレビの前で観戦させてもらいました。

男子が今季開幕戦の「東建ホームメイト・カップ」(三重県桑名市=東建多度CC名古屋)最終日、女子が開幕戦の「ダイキンオーキッド・レディース」(沖縄=琉球GC)後、東日本大震災のために自粛・中止が続き、5大会ぶりに再開された「西陣レディース」(熊本=熊本空港CC)最終日、の熱戦です。

男子は高山忠洋(33=法仙坊GC)が開幕戦制覇(ツアー通算4勝目)を、女子はプレーオフで不動裕理(34=フリー)が今季初勝利(ツアー通算49勝目)を、それぞれ飾りましたが、両ツアーともに感じられたことは、選手個々に“ゴルフができることのありがたさ”が漂い、それがプレーににじみ出て、見る側にも熱さが伝わってくることでした。

ところで男子ツアーで今季、もう一つの話題は、石川遼(19=パナソニック)の“稼ぎ”でしょうか。被災地に何かできないか。熟考の末に石川が踏み切った義援は、今季の獲得賞金全額に加えて、1バーデイーにつき10万円を寄付しようというものでした。

単独3位となった今大会の稼ぎは、フムフム、バーディー奪取数を合わせて1044万円・・・。これに健闘した「マスターズ」での稼ぎを合わせると約1966万円か、たいしたものだ、などと感心しているところに何ともタイミング良く、ゴルフ好きの友人から電話が入ってきました。

友人が言います。

「(テレビを)見てた? 高山の優勝だけどね。石川とプレーオフなどの競り合いにならなくてよかったよな」

「与うる者は黙せよ」とも言います

確かに今大会は最終日、高山と片山晋呉、石川の優勝争いでしたが、片山&石川の猛追はあったものの、追いつくなど、もつれるまでには至らず、高山が逃げ切りました。友人は「もし、石川ともつれたら、高山はやりにくいと思うよ」と言うのです。

つまり、友人の指摘は、例えば石川が追いついて最終18番での優勝争いになったとき、もっとシビアに最終18番グリーン上、パット勝負となったとき、高山の心理は果たしてどんなものだろうね、ということでした。

何しろ石川には、獲得賞金を全額、被災地への義援金とすることを公表しており、これは米国でも絶賛され、一躍“素晴らしい青年”となりました。この優勝賞金もそれに組み込まれることになる、と考えたとき、高山には、オレが勝っていいものだろうか、という複雑な心理状況が生じはしないか、という危惧です。

かつて宮里3兄妹の次兄・宮里優作がアマ時代の01年、男子ツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」で並みいるプロと優勝争いを演じたことがありました。この大会、結果は伊沢利光が優勝を飾り、宮里優は2打差の2位タイとなるのですが、惜しいチャンスを逃した宮里優は、後日談として「生活を懸けているプロの戦いにアマが入り込んでいいものかどうか」と“遠慮”が生じたことを明かしました。

状況はまったく違いますが、石川の美談には誰もが注目しているだけに、石川と優勝争いを演じる相手の心理状態には、これと似たような“遠慮”が生じる気もします。

友人が言いました。

「要は“今”ではなく、そうしたいなら、シーズン終了時に宣言すればいいんだよ。言い出すタイミングもあるだろうけど、別に義援は秋でも遅くはないだろう。石川プロともなればもう、他のプロの気持ちを考える必要もあるだろう・・・からね」

まあ、この件は“話題提供”というお役目もあり、なかなか難しい問題ではありますが、善意の裏にはいろいろと他人の思惑もつきまとうのが常です。友人が言う“シーズン後に・・・”はある意味、的を射ているかもしれませんが、どんなものでしょうか。



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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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