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「柔よく剛を制す」

無観客で行われている今年のプロ野球春季キャンプは、いろいろと話題があって面白いですね。

巨人の一軍投手チーフコーチ補佐に就任した桑田真澄氏(52)の指導。ヤクルトの臨時コーチとして“フルタ流”を植えつける球団OBの古田敦也氏(55)。さらにMLBヤンキースから古巣・楽天に復帰した田中将大投手(32)のMLB7年の経験…などなど。いわゆる“レジェンド”と呼ばれる男たちが、どう現状を変えていくのか? ということに興味が沸きます。

今さら紹介するまでもないことですが、桑田氏は、PL学園→巨人(ドラフト1位)で投手として活躍、MLB(パイレーツ)にも籍を置き、現役引退後は早大大学院スポーツ科学研究科修士課程で修士を取得(主席で終了)するなど指導者としての豊富な知識を身につけています。

2月1日のキャンプイン前、桑田氏は1月24日のNHK総合テレビ「サンデースポーツ」(午後9時50分~)に出演。同番組のコメンテーターを務める上原浩治氏(45)と対談を行い、そのときの桑田氏の発言が印象に残りました。

上原氏は桑田氏の後輩にあたる元巨人投手、MLBで活躍後、現在は野球解説者などで活躍。日本シリーズでどうしてもソフトバンクのパワーに太刀打ちできなかった悔しさを込めて、巨人の最大の課題は“ソフトバンク対策?”と水を向けました。

これに対し桑田氏は「ン? ソフトバンクの強さは意識の外ですよ」と意外な答えを返し「柔よく剛を制す」という言葉を口にしたのです。

肩透かしの“理と力”作戦で…

ウ~ン。「柔よく剛を制す」ですか。桑田氏ならではの言葉でしょうね。「温柔な者がかえって剛強な者に勝つことが出来る」(広辞苑)という意味。解釈の範囲を広げれば、体の小さい者が大きい者に勝つ、弱者が強者をしのぐ、などにも例えられ「侮れない非力の底力」についての言葉です。

この言葉はいかにも武道的ですね。そういえば富田常雄著の柔道小説「柔」の中でも、体が小さく非力な主人公の矢野浩(後に正五郎)が、力の強い大男を“理と力”の法則で投げ飛ばす術の妙が描かれています。読み手の心を躍らせる格闘技の原点“無差別の戦い”ですね。

いや~面白いですね~。あの柔和で笑顔を絶やさず、どこか飄々(ひょうひょう)とした物腰の桑田氏は胸中、こういうところに目を向けて思考する人なのですね。つまり、相手のパワーに160キロで対抗しようとすれば、ぶつかり合ってどちらかが倒れる、あるいはとも倒れということもあり得るでしょ。それより140キロだって勝つことが出来るんですから、その方法をとことん選手と話し合ったほうがいいですよ、という考えです。

そういえば大栄翔(追手風)の平幕優勝で盛り上がった大相撲初場所(1月24日千秋楽=東京・両国国技館)はまた、9勝を上げた新入幕の翠富士(伊勢ケ浜)が、5勝までを「肩透かし」で勝ち取るなど、相手の力を巧みに利用する小兵力士の活躍が目を引きました。

計画的な走り込み、投げ込み…プロとしての目的を持ったしっかりとした練習量があり、そこから“理と力”という頭の勝負が開始されます。

さて今季の巨人投手陣が、この肩透かしの理論を桑田氏によって植えつけられればリニューアルに期待できますね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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