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大坂なおみのもう一つの主張

女子テニスの大坂なおみ(23=日清食品)が、無敵の快進撃で4大大会の一つ「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルンパーク)を制しました。

事実上の決勝戦ともいえたS・ウイリアムズ(39=米国)との準決勝戦(2月18日)を2-0で撃破して勢いに乗り、2月20日の決勝戦ではJ・ブレイディ(25=米国)を6-4、6-3と問題にせず、2年ぶり2度目の優勝(4大大会4勝目)を飾りました。

決勝戦を中継するNHK総合テレビ(2月20日午後5時25分~)の画面に見入りました。滑り出しから別に緊張している雰囲気も感じられず、逆にブレイディのほうが固くなり、大事なところでミスをして自らを窮地に追い込んでいる感じ。優勝を決めた瞬間、大坂はやっと笑顔を見せ、飛び跳ねて喜びを表現したものの、派手なパフォーマンスは一切ありませんでした。

大坂の快挙を報じる2月21日付の新聞各紙は、こんな大坂を“メンタルの成長”と評していました。決勝戦に臨む大坂に対して私は、別に緊張している雰囲気も感じられず…”と書きましたが、緊張しないわけはなく、試合後に大坂が「メンタル・バトルだった」と振り返ったように、ともにメンタル面に重圧がかかっている中、大坂のほうがそれをコントロール出来ていて“成長”という言葉につながったのでしょう。

そういえば何回戦だったか、試合中に顔に止まった蝶々を、手荒く払いのけずにそっと空に返してあげるといった余裕も随所に見せていました。

女性の地位向上に向けて…

心技体の充実を感じさせる大坂の存在は、もはや世界のテニス界の新旧交代劇の主役を感じさせます。そして、それ以上に感じることは、スポーツ選手の枠を超えて発信する“人間平等”へのメッセージでしょうか。

昨年2020年9月の「全米オープン」のときの出来事は、皆さんもまだ記憶に鮮明なことでしょう。白人警官による黒人への暴行が行われているとき。大坂はコートに入場の際、黒人被害者の名を入れた黒いマスクをかけて登場。「私もテニスプレーヤーの前に一人の黒人女性」という言葉とともに人種差別問題を世界に投げかけました。

折から日本では、森喜朗氏が女性蔑視に関わる不適切発言により、こういう人が「東京五輪・パラリンピック組織委員会」の委員長を務めていることはいかがなものか? と世界中から意識の低さを指摘され、人事が一新されるという出来事が起きました。

後任人事に関する詳しいことは分かりませんが、森氏の後を橋本聖子氏(56)が継ぎ、橋本氏が担当していた五輪相には衆議院議員の丸川珠代氏(50)が就任するという女性中心の顔ぶれが出来上がりました。

どちらかというと掛け声だけが先行していた感のある日本の「男女共同参画」社会が、皮肉にも森発言によって一気に推進された形となり、世界から指摘されていた日本における「ジェンダー指数」の低さも、慌てて見直されることになりました。

こうした付け焼き刃的なドタバタ劇が、果たして五輪・パラリンピック開催に向けた世論の支持を取り戻せるのか、ということが気になります。

そうした背景を考えれば、大坂の言動…例えば「多くの人たちの応援によって強くさせてもらって来た。だから私も多くの人たちが強くなれるよう応援したい」という、人間すべて平等、無差別に関わる言葉は、ズシリと重さを感じます。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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