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「黒板五郎」の死を悼む

このところ訃報が相次いでいます。

3月24日、柔道の天才“平成の三四郎”こと古賀稔彦氏の死去(享年53)が報じられたと思ったら、4月1日には「真空飛び膝蹴り」で一世を風靡、少年たちの夢をふくらませたしたキックボクサーの沢村忠氏(本名・白羽秀樹氏=享年78)の死去が報じられました。

古賀氏はまだ53歳の若さ。2人の生を奪ったのは肺がんだったといいます。

晴れない心が続く中、今度は俳優の田中邦衛氏(本名同じ)です。田中氏は3月24日午前、老衰のため死去したことが4月2日、伝えられました。享年88。

いずれも、誰もの心に強烈なインパクトを与えた人たちばかり。特に田中氏は、1982年(昭57)10月、フジテレビ系で放送が開始された連続テレビドラマ「北の国から」(原作・脚本は倉本聰)で演じた「苦労人・黒板五郎」役で人々の記憶に強い印象を残しました。

もっともこのテレビドラマが開始された時期、私自身はスポニチ本紙の運動部記者として東奔西走する日々を送っており、この当時、このドラマをテレビにかじりついて同時進行的に観(み)たという記憶はほとんどありません。

じっくりと観る機会を得たのは、むしろ最近のこと。CSTVが過去の名作を“イッキ見”と称して全部を放送したときにテレビの前にかじりつき、田中“黒板五郎”邦衛が、大自然に囲まれた北海道・富良野で男手ひとつ、息子の吉岡“純”秀隆、娘の中嶋“蛍”朋子ら家族と人間の弱さと強さをむき出し合い、ぶつかり合いながら、前向きに生きる姿に胸を熱くして観ていました。

カッコ悪さがカッコ良すぎた

田中氏は1961年(昭36)にスタートした東宝映画「大学の若大将」を初めとするこの“若大将シリーズ”で主役の若大将・加山雄三とともに“青大将”役で独特の三枚目役を演じ、名バイプレーヤーとしての存在感を見せていました。

1932年(昭7)11月23日生まれ。岐阜県土岐市出身。青大将は29歳で演じていましたが、やはり人間、歳を経てそれこそ顔のシワ一つ一つに味が出るものです。「北の国から」シリーズを振り返って他に「黒板五郎役」がいたかどうかを考えたとき、やはり、最適役として田中氏をおいていないような気がします。

田中氏の訃報に接し、倉本聰さんがテレビ局のインタビューに応じ「(黒板五郎役に)誰か“情けないヤツ”はいないか、と聞いたところ、皆が田中邦衛の名前を出したんだ」と話しました。

黒板五郎は、確かに情けない男であり、想いを残しつつ妻と別れ、泣き笑い、あちこちにぶつかりながら転んだり立ったり、進んだり後退したりしながらのカッコ悪い人生を歩みますが、逆にそれを、これだけカッコ良く、優しくなければ男でない、といった本当の男の強さを演じてくれたのは田中氏だったからでしょう。

国民的ドラマとも称賛される「北の国から」という名作を、観る側も胸を熱くしながら堪能させてもらい、名優・田中邦衛氏への感謝の気持ちは尽きません。

「黒板五郎」よ、永遠に…
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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