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戦った場への敬意の一礼

米男子ゴルフツアーのメジャー競技「マスターズ」(4月11日最終日、米ジョージア州オーガスタ=オーガスタ・ナショナルGC)を松山英樹(29=LEXUS)が制し、日本列島が歓喜に沸きました。

日本人初の快挙、日本男子の悲願達成とともにもう一つ、感動に包まれたのが松山のキャディーを務めた早藤将太さん(27)の“作法”でした。

最終日の最終18番ホール。松山がホールアウトした後、抜いたピン(旗竿)をカップに戻す際、被ったキャップを取り、コースに頭を下げて一礼したことを海外メディアが動画で公開。「素晴らしい」「美しい」と関係者やファンの絶賛を浴びたのです。

いい話ですね。そして、いかにも日本人らしい早藤さんの礼儀正しさでした。

「礼に始まり、礼に終わる」と言います。特に柔道や合気道、空手道など武道系は、この作法が重んじられます。また「戈(ほこ)を止むるを武となす」という言葉があり、つまり武道の「武」は「戈」と「止」とを組み合わせたもので「和を尊ぶ精神」ということが出来ます。

従って武道に欠かせない「礼」には、自分の心を正しくし、相手に敬意を表す、という意味が含まれるのです。

日本人が持つ武道精神

武道家に限らず日本人アスリートは、戦う相手(あるいは戦う場)への敬意を欠かしません。例えばマラソン選手や競歩の選手は、走り終えた後、走り抜いたコースに必ず頭を下げるし、復活した競泳の池江璃花子(20=ルネサンス)も泳ぎ終えた後は必ずプールに頭を下げて一礼をしています。

選手に限らず国際舞台での日本人観客の礼儀正しさも外国人の称賛を浴びています。サッカーやラグビーのW杯(ワールトカップ)で試合終了後、日本人観客がゴミを拾うなど清掃活動活動をすることに対し海外メディアは「素晴らしいこと」と報じます。

もし日本人観客が後片付けをせずにスタジアムを後にしても、誰も文句を言う人などいないことでしょうが、そこでそうしないのは、やはり、応援させてくれたスタジアムへの敬意、熱くさせてくれた選手たちへの敬意…胸中に秘める日本人ならではの武道精神なのでしょう。

戦ってきたコースに敬意を表す一礼の行為が称賛された早藤さんは、明徳義塾高(高知県)→東北福祉大を通して松山の2年後輩。自身もプロを経て2019年、松山の依頼を受けて専属キャディーを務めるようになっています。

選手を支えるキャディーの仕事は、ただバッグを担ぐだけではなく、その日の試合開始前に各ホールのピンの位置を確認して攻めるルートをシュミレーションしたり、裏方として“滅私奉公”的な楽ではない仕事をこなしています。

それだけに早藤さんにとって松山がやってのけてくれた快挙に対しては、本当に誰よりも喜びをかみしめたことと思います。

その一礼に含まれた早藤さんの胸中に交錯しただろうさまざまな想いを考えるとき、あの一礼の重さがひしひしと伝わってきますね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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