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「いい感じ」に見る大人の常識

些細(ささい)なことではありますが、気になり始めると、どうにも引っかかり続けてしまうのが「言葉」でしょうか。

例えば最近、引っかかり続けているのが「いい感じ~」です。もうご承知のことと思いますが、この言葉自体に別に問題があるわけではなく、問題があるのはイントネーションです。アクセントを「いい」に持ってきて「いい感じ」と“尻下がり”であればフツーですが、それを「感じ~」に持ってきて“尻上がり”的な「いい感じ~」となれば「彼氏」という言葉を尻上がり的に発音する「カレシ~」と同じ類の“若者言葉”になってしまいます。

まあ、このテの発音は若者、それも女子中・高校生たちが、仲間内でキャッキャ! と話しているレベルなら、聞いている方もさほど、違和感はなく、微笑ましくもあるのですが、先日、某テレビ局の夕方からのニュース番組を見ていて、最初にコメントを求められたゲスト・コメンテーターが、次にお天気キャスターが、次々にこの発音で連発するに至っては、オイオイ、公の場で何だよ、違うだろ! ということになってしまいました。

昨年の「新語・流行語大賞」にノミネートされた言葉群の中にも結構、若者言葉は入り込んでいました。「本田△」(本田サンカクケイ=本田さん、カッコイイ)、あるいは短縮語の「モテキ」(モテる時期)などがそれですが、特殊な「本田△」などは別にして、軽いノリの短縮語やユニークな発音で広まった若者言葉が、次第に一般的な会話の中に入り込んでくる傾向は、少なくないようです。

私は以前、この欄で「やばい」という言葉の使い方の変化について書いたことがありました。私たちが子供のころから日常的に使っていた「やばい」は当然、辞書にも掲載されている、本来の意味、つまり「危険であるという意味の隠語」(広辞苑)であるのですが、これをプロゴルファーの石川遼クンらが使うと、例えば、とんでもなくいいスコアを出したときとか、パー5のホールでピタリ2オン、イーグルチャンスにつけたときとか、良い場面で「ヤベー、やっちゃった」ということになるのです。

拡大する言葉の解釈

危険」な状態を含めた「良くない」出来事が起きたときに口をついた言葉が一転、凄いことをしてしまってビックリだよ、という、まるで反対の意味に使われているわけですが、最近ではむしろ、石川クン的な使い方が多いようで、この言葉の市民権は、凄いことを表現する方に傾いてしまったようです。

「全然」という言葉に最近、違和感を覚えるのは、否定的な意味の語を伴わないで使われているからでしょうか。「全然」(=まったく、まるで)は「下に打ち消しの言い方や否定的意味の語を伴う(例=全然分からない)」(広辞苑)とあり、肯定的にも使うのは、あくまで「俗な用法として」(同)なのです。

従って「全然、大丈夫!」などの使い方は、本来の形ではないのですが、現在、テレビ局のアナウンサーたちは、この俗な用法を平気で使っています。

同様に公の場で平気に使われていて気になるのは「普通に」でしょうか。「そんなこと、私は普通にやっています」などと使われ、特別に、ではなく一般的に、の意味で、まあ、それこそフツーに使われているのですが、言葉を仕事とするアナウンサーたちには、フツーに使ってもらいたくなく、要注意の必要があるでしょう。

言葉は、時代の流れの中で、あるいは、さまざまな局面の中で、変化したり、新しく生まれたりするものなのでしょう。若者言葉は、そんな情勢に一役買って、定着したり消えたりしながら、文化の発信源にもなっているようです。

が、テレビでいうなら、バラエティ番組でにぎやかな面々が、平気で使っては手を叩いている姿は別にして、ニュース番組に出席しているコメンテーターの方々、あるいはアナウンサーの方たちは、大人の常識として、言葉のプロとして、このあたりのことはキチッと決めてもらいたいものです。

聞き手を「いい感じ」にするために・・・。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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