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「ンga」が生む日本的情緒

来日中の米歌姫レディー・ガガ(23)が連日、奇抜なファション&パフォーマンスで世間をキャーキャーとにぎわせています。だから、というわけでも何でもありませんが、ガガという名前のついでにきょうはちょっと「が」にこだわってみようか、と思います。

〈「が」=「か」の濁音(ga)。ただし、語頭(筆者注=言葉のはじめ)以外では鼻音(筆者注=まあ「ンga」といった感じでしょうか)となることが多い〉(広辞苑)

昭和の歌姫・美空ひばりさんが他界(1989年6月24日=享年52)して、この6月24日は23回忌ということで、テレビなどでは在りし日を偲ぶ特集が組まれたりしました。

ひばりさんの歌は、いつ聞いてもしみじみと胸に響きますが、そんな情緒をさらに奥深く、美しくしているのは、ひとつには歌詞を歌う言葉の正確さにあるのでは、という感じがしました。それが、意図的に、とも思えるほど正確に、それでいて自然な「が」の発音でした。

テレビのひばりさん特集を、実はヘッドホンで聞いていたのですが、例えば150万枚のヒット曲となった「川の流れのように」(秋元康作詞)には、語頭では使われていませんが、それ以外に「が」が14カ所に出てきます。

そのことごとくをひばりさんは、ごく自然に、さりげなく「ンga」と、あるいは「ga」に近い「ンga」と使い分けて発音、それにより、この歌がかもし出す“柔らかさ”を一層、引き出していました。

私が住む藤沢市(神奈川県)の隣町、茅ヶ崎市出身のミュージシャン・桑田佳祐(55)は、高校が鎌学(私立鎌倉学園高=私は県立鎌倉高)だったりして、加山雄三とともに同じ湘南エリアという共通項があり、好きですが、気になるのは、彼がしゃがれ声で歌う歌の「が」の発音は、語頭以外の「が」であっても、おかまいなしに、語頭同様、いやそれ以上に強調された“むきだし”の「ga」で迫ってくるところです。

使い方が違っている、何とかしろよ! とは言いませんが、語頭以外のところにある鼻音「ンga」を「ga」にしてしまうと、余韻とか情緒などが消えてしまいます。

もっとも、桑田ワールドには、そういうものをお構いなしに踏みにじって、大波に立ち向かうような力強さがあり、桑田ほどの人ですから、あるいは意図的に「ga」を強調しているのかもしれません。

別にここで日本語の勉強をしようなどという気はまったくありませんが、昨今ひっかかるのは、やはり「ら抜き言葉」など日本語の乱れです。

「られる」を「ら」抜きで「れる」としてしまうケース。例えば「可能」を表現する言葉・・・。

来られる→来れる
見られる→見れる


などですが、それらに加えて、若者言葉独特の尻上がり的なイントネーションが当たり前のように使われると、オイオイ、と一言、言いたくなってしまいます。

要は・・・といいますか、大事なことは、語頭以外で使われる「が」は、基本的に鼻に抜ける鼻音の「ンga」になるんだよ、ということを常識として知っていてほしい、ということです。「ら抜き」にしても、知ってはいるけど話し言葉では簡略化優先でいいでしょう、ならともかく、エッ? 知らなかった、ではシャレにもなりません。

そして、ひばりさんの歌に漂う情緒とか胸に響く哀愁とか、日本の良さを表現するためには、例えば「が」の変化などは、欠かせないものとして無視できないのだ、ということを知ることです。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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