プロ4年目の試練か?

サッカーの女子W杯ドイツ大会準決勝(日本時間7月14日未明)で日本の「なでしこジャパン」が強豪のスウェーデンを下して決勝(同18日未明)進出を決め、日本中を沸かせた日、英国ではUSPGAツアーの今季メジャー第3戦「全英オープン」(英サンドイッチ=ロイヤル・セントジョージズGC)が開幕しました。

石川遼(19)の動向が気になる熱戦の模様は、地上波ではテレビ朝日が力を入れて放送してくれており、第1日は夕方のニュース時間帯にスタートの様子を入れ、引き続き午後7時からの中継で逐一、報じてくれました。

滑り出しのその日、期待の石川は前半アウト(パー35)で4ボギー、1ダブルボギーを叩き、6オーバーの41と大苦戦を強いられました。後半イン(パー35)でやっとバーディーが出て、3バーディー、1ボギーと粘ったものの、石川自身に笑顔はほとんど見られず、最後までジッと我慢の様子が画面を通しても痛々しいほどに伝わってきました。

そんな中、テレビの解説&リポーターを務めている青木功プロと羽川豊プロのやりとりに、これまでとは違った石川像が浮かび上がり、オオッ! と思いました。そのやりとりは、こんな具合です。

羽川プロ「アイアンが良くないですねェ。ほとんどショートでピンに届くショットがありません。むしろ、オーバーするくらいの気持ちの方がいいのでは? と思いますが・・・。やはり、青木さん、思い切りの悪さなのでしょうか」

青木プロ「う~ん、クラブをとっかえひっかえして迷っている様子はわかるよな。4年目でやっと怖さが出てきたのかもな。いろいろと経験を積めば積むほど怖さも出てくるのがゴルフだから・・・」


経験を積んで出てきた怖さと迷い

石川は今季でプロ4年目を迎えました。アマチュアで、しかも15歳8カ月の史上最年少の快挙となって日本中を驚かせた07年5月の「マンシングウェアKSBカップ」の優勝を受けて、翌08年1月にプロ転向。男子ゴルフ界の“救世主”との期待通り、2年目の09年に賞金王獲得、昨年10年は連続賞金王には手が届かなかったものの、海外メジャー競技での健闘を含めて、国内でも「58」という驚異の世界最小ストロークを叩き出すなど、怖いもの知らずに突っ走ってきました。

スポーツ各界に昨今、平成世代の年齢層の低い選手の台頭が目立ち、私などはそのたびに、若さが持つ「勢い」は「経験」に勝(まさ)るのだろうか、ということが常にテーマとしてありました。

つまり、彼らは“持ってる”のさ、などといってしまえば、その通り、理由付けなどは必要なく、こんなテーマなどは、片隅に追いやられてしまいますが、まあ、メンタル・ゲームのゴルフなどは、自然とかコースの設計意図などと対話ができるようになって初めて攻略できるものなど“経験最優先のスポーツ”と多くのプロから聞かされてきたこともあり、それを覆す、19歳の少年の勢い、たたみかける攻撃は本物なのか? という疑問は常に付きまとっていました。

が、石川が「勢い」でやってのけた数々の快挙は、確かに「経験」を吹き飛ばすものであり、加えて経験豊富なベテランの藤田寛之が「経験はときにして邪魔になることがある」などと話すのを聞くと、ゴルフの常識というものは、変わりつつあるのかなァ、いや、石川ら平成世代が変えつつあるのかなァ、とも思ってしまいます。

とはいえ、全英オープンの初日、これまでとは違う石川の苦戦の仕方を見た青木、羽川両プロが交わした言葉は、少なくともこれまでの石川には指摘されなかったものだったし、やはり、ゴルフにおける「経験」は、良くも悪くも、依然として無視できない位置づけにある、ということでした。

「マスターズ」へのチャレンジを初め、これまで順風満帆に勢いで自分の道を走ってきた石川が、さまざまな経験を重ねたことで、あれこれと“邪念”に悩まされるようにならなければいいのだが・・・とも思います。

が、これも通過しなければならない道。プロ4年目が、果たして鬼門となるか、新生の一歩になるか、石川はこの難しいリンクス・コースの中で微妙なところに立たされたようです。

〈7月16日午前追記〉巻き返しを期した第2日(7月15日)の石川でしたが、2バーディー、8ボギー、2ダブルボギーの80と崩れ、通算14オーバー(147位)で予選落ちしてしまいました。迷いが出たゴルフではやはり、この難しいリンクス・コースの攻略は無理だったのでしょう。これに落ち込まず、苦い経験を生かして何とか立ち直ってもらいたいものですね。




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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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