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「なでしこジャパン」に試練の五輪予選?

プロボクサーにとって「世界の頂点」は、夢であり目標であり、誰もがそこへ向かって日々、厳しい道を歩み続けます。やがて巡ってきたチャレンジのチャンス。そこで世界王座を勝ち取ることは、それこそ夢の実現、言葉などでは言い表せないほどの喜びでしょう。が、その感激は一瞬のこと、なのだそうです。

元世界王者の浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)が言いました。

〈王者は直後から、今度は世界中のチャレンジャーに狙われる立場となります。自分がチャレンジャーとして狙っていたときのことを振り返れば、王者の立場というものが、より一層、厳しいところにあることが分かるでしょう。何しろ丸裸にされて研究され尽くされ、挑まれるのですからね〉

チャレンジャーでいるときは、王者の弱点を研究し、そこをつけるように日々、自分のボクシングに磨きをかけますが、王者になってからは、加えて“対応力”が求められることになります。つまり、さまざまなタイプのチャレンジャーを迎えるにあたっての多彩な対応力、さらに“これがダメなら次はあれ”という引き出しの多さ・・・つまり、チャレンジャー時代の幅を、もう一つも二つも広げないと、防衛を重ねることが難しくなります。初防衛戦が王座を奪取することより難しい、と言われる理由(わけ)がそこにあります。

具体的な例を挙げると、例えばWBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(帝拳)が、王座を奪取後、強さを増したのは「右の使い方がうまくなったから」と言われます。左に威力を秘めていることは誰もが知るところですが、その研究し尽くされた必殺の左パンチを生かすためには、多彩な右の使い方が必要、という対応力、膠(こう)着状態になったときの突破口、などを目的としたものです。

初防衛戦に勝ってこそ本当の王者

さて、前置きが長くなりました。ここで今日、私が書いて見たかったことは、実はボクシングではなく、W杯を制覇して世界の頂点に立った女子サッカーの日本代表「なでしこジャパン」が、五輪に向けてどう進むだろうか、ということなのです。

2012年ロンドン五輪に向けた「アジア最終予選」(中国で開催)は、9月1日のタイ戦を皮切りに韓国、オーストラリア、北朝鮮、中国の計5カ国を相手に9月11日までの11日間で5試合を戦うハードスケジュールで行われます。

「なでしこジャパン」のW杯優勝への道は、それこそ奇跡、また奇跡の連続でした。どんなスポーツにも共通してあると思いますが、優勝するときというものは、持てる力量に加えて、さらにそれを倍増させるような運やツキの部分をも味方につけているものです。

そして言えることは、奇跡的な出来事が2度3度と積み重ねられた快進撃を、ではもう一度、続けられるか、再現できるか、というと、それは不可能に近いことです。

W杯での快挙達成後「なでしこジャパン」の環境は大きく変わり、これまでの“無心”にさまざまな要素が加わったことは間違いないでしょう。それをプラスにして“さすが”とうならせることができるか、マイナスとなって不甲斐ない内容に終始してしまうか、がある意味、王者の初防衛戦ともいえる「アジア最終予選」の焦点といったところではないでしょうか。

初防衛戦の難しさの中には、心理面で言うなら、王座奪取の喜びをいつまでも引きずって浮き足立ってしまうことも含まれるでしょう。「なでしこジャパン」には、初防衛戦に勝ってこそ、やっと本当の世界一となる、という気持ちを忘れずに、この難しい五輪予選を好成績でクリアしてほしいものです。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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