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“しずちゃん”の厳しい五輪挑戦

9月9日付の朝刊各紙の片隅に共同電の小さな記事が掲載されていました。

台湾の台北市で8日に開幕したボクシングの「台北市カップ国際トーナメント」にお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の“しずちゃん”こと山崎静代(32)が出場。“初の公式戦”となった同大会で判定負けした、という内容でした。

ちなみにしずちゃんの激闘計4Rの内容は、1Rこそ一方的に打ち込まれたものの、残りの3Rは反撃、互角の戦いだったとのことでした。

趣味で始めたボクシングが次第に本格化してのめり込み、最近のしずちゃんは、2012年ロンドン五輪で正式種目に新採用された女子ボクシングへの出場を目標とすることを表明し一躍、クローズアップされています。

今年5月には、日本アマチュアボクシング連盟の強化メンバーの一人として女子第1次強化合宿に参加、6月には韓国武者修行、9月には日韓合同の強化合宿にも参加して練習を積みましたが、経験不足はいかんともしがたく、残念にも結果を出せず! となってしまいました。

女子ボクシングは“時代の要請”を受けつつ08年2月、日本プロボクシング協会(JPBA)の容認の意向を受けた日本ボクシングコミッション(JBC)が、第1回のプロテストを行うなど、女子の底辺拡大、プロ化に拍車がかかり、現在に至っています。

何よりも最優先されるべき健康管理

プロとして公認されることにより、最優先されなくてはならないことは、いうまでもなく「安全性」でしょう。かつてボクシング廃止論が出たのは、顔や頭を集中的に殴り合う危険性に、スポーツ競技として疑問符がつけられたからでしたし、それが女子ならなおさらのこと、健康の管理・チェックに“やりすぎ”はないほどでしょう。

ちなみに現行では1R2分(男子は3分)の戦い、世界タイトルマッチは10回戦(同12回戦)、日本タイトルマッチは8回戦(同10回戦)、試合前には妊娠検査が義務付けられる、など慎重が期されています。

アマチュアではあっても、しずちゃんに違和感を覚えるのは、多くの人が知らなかったことではないか、と思いますが、台北の試合が実に「初の公式戦」であったことでした。ということは、公式戦経験ゼロの段階で日本アマチュアボクシング連盟は強化選手に指定し、強化合宿にも参加させ、何よりも五輪出場を無謀とせずに認めたこと、などへの不思議です。

ロンドン五輪での女子ボクシングは、フライ、ライト、ミドルの3階級(しずちゃんはミドル級で出場の意向)が行われます。日本代表選手は、強化合宿での成果、来年3月の全日本選手権の結果、同5月の世界選手権の結果、などを踏まえて選考されますが、今、しずちゃんに言えることは、果たしてそこまでたどりつけるのか、何よりも経験不足によるアクシデントの類、万が一のことが起きたときのことを関係者はどう考えているのだろうか、ということです。

国内では五輪での最重量級の選手が少ない中、しずちゃんの存在は貴重、頑張れ! としか言いようがありませんが、周囲は無理を避ける勇気を持ち、何を優先させるべきか、を見失わずに進んでほしいものです。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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