続・なぜか「ドラマチック・ジャパン」です

体操競技の内村航平(22=コナミ)が、男子個人総合で史上初となる3連覇の偉業を成し遂げました。“ホーム”の日本(東京体育館)で熱戦を展開中の「体操世界選手権」第8日(10月14日)での快挙です。

「金」を狙った男子団体総合(10月12日)では、内村自身、鉄棒種目で落下するミスもあり、悔しい「銀」に終わっただけに、個人総合に雪辱を懸ける内村には、実力&実績に「プラスα」(例えば鬼気迫る気迫のようなもの)が加わるだろう、ということに期待しつつ、テレビ(熱戦の模様はフジテレビが当日午後9時から放送)の前に陣取りました。

確かに、この日本のエースには、内面に秘めた「内村流の美学」をまっとうしようとの意志が随所に感じられ、そこから相手ではなく、自分との戦いが始まり、演技中の足のつま先だとか、最後の着地だとか、に見られた細かい神経の使い方は、まさに鬼気迫る気迫、と言う表現がピタリの凄さでした。

とともにテレビが映し出す映像の中で「フ~ン、やはり、この競技にも・・・」と感心させられたのは、内村が一つの種目を終えて壇を降りたとき、必ずといっていいほど、他国の選手たちが握手やタッチを求めて健闘を称える光景でした。

話は飛びますが、以前、テレビで中継された総合格闘技の試合を見た友人が、アレは一体、何なの? と聞いてきたことがありました。総合格闘技とかアルティメットとかいう言葉は、今でこそ市民権を得ていると思いますが、PRIDEが始まった1997年10月ころは、それ以前を含めて一部のマニアのものであり、新聞での記述にしても、いちいち説明が必要でした。

アレは何? と聞いてきた友人のように、知識がない人にとって、アレはまさに“乱暴なケンカ”にしか見えなかったことでしょう。

感動的だったライバルたちに尊敬される姿

ファイターを単なる乱暴者と見るかアスリートと見るか、総合格闘技をケンカと見るかスポーツのジャンルと見るか、その分岐点は、ルールがあるなどということもあったでしょうが、最も忘れてならないことは、ファイターたちが、それぞれを「リスペクトし合う(尊敬、あるいは敬意を払う)」という心でした。

一線級で活躍していたヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)は「ケンカがしたいヤツとは戦わないよ」と言い、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(同)も「戦いを決意するのは、尊敬できる相手かどうかだね」と、常にその気持ちを大切にし、相手への敬意があるから、激しく殴り合える、蹴り合える、というようなことを言っていました。

それはまた「認知」にも結びつきます。覚えているでしょうか。MLBで活躍するイチロー(マリナーズ)が04年10月、伝説の男ジョージ・シスラーがつくったシーズン257安打の大リーグ記録を更新するという歴史的快挙を達成した日の出来事です。

スタンドの大歓声とかチームメートの盛大な祝福とかは当然、ありましたが、見ていて思わずジンときてしまったのが、出塁したイチローに対して相手チーム(レンジャーズ)の選手たちが、さりげなくイチローのお尻を軽く、グラブでポンと叩く、敬意を表す動作でした。

この“お尻ポン”の仕草には、単に技術が優れているだけでは得られない、米国という他国に生きる“人間・イチロー”への認知・敬意が感じられ、感動的でした。

そして・・・です。内村へのそれにも、認知・敬意が熱く感じられ、3連覇の偉業は偉業として、それ以上に世界のトップに立つ内村の存在感が浮き彫りにされ、多くのライバルたちに尊敬される姿にジンときてしまいました。



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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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