FC2ブログ

新感覚が築く新時代

藤沢市(神奈川県)に在住する私は、東京に出るとき、東海道線を利用しています。
藤沢駅から東京に向かってひと駅目の大船駅に近付くと、左側に位置する山の中腹に巨大な大船観音像が姿を現します。
新緑のこの季節、鮮やかな緑に囲まれて上半身をのぞかせる白衣観音像の純白は、大船のシンボルとして威容を誇っています。

ある日のことでした。
電車の中からこの風景を見ていた幼女が母親に言いました。

「観音さまが緑のお風呂に入っているねェ」

日ごろ、見慣れている風景に改めて見ることも、特別な新鮮味も感じなくなっている乗客が、この言葉に一斉に視線を観音像に向けました。
思わず・・・私もその一人となっています。

なるほどねェ。凄いものです。子供の感性は・・・。
言われてみれば、その通りの風景ですが、私を含めて既成の大人にはもう、そんな見方も表現もできなくなっていることに気付かされます。

微笑ましく、ささやかな、幼女の光る感性が、大人たちを脱帽させたシーン。
子供たちのこうしたハッとさせる鋭い感覚は、成長とともに次第に磨かれて独特の自分の世界をつくり上げて行くのでしょう。そしてそれは、ものを見るとき、あるいはものごとを判断するとき、かつて必ずあった常識的な“尺度”をどんどん、容赦なく塗り替えていくのでしょうか。

そうした出来ごとは、石川遼出現後のゴルフ界で顕著です。
前週終了の国内男子ツアー「ダイヤモンド・カップ」(5月30日最終日=埼玉・狭山GC)でアマチュアの浅地洋佑(17=杉並学院高2年)が活躍したことも、そんな例のひとつだったでしょう。

石川遼の後輩。並みいる歴戦のプロたちと互角の勝負を展開させ、4日間通算7アンダーで堂々と9位タイに食い込む健闘を演じました。

競技終了後のインタビューで「得意なクラブはサンドウエッジ」と答えた浅地が、なぜ得意になったか、と聞かれて「子供のころからずっとこれで遊んでいましたから」と言いました。この言葉には重みがあります。なぜなら私は以前、宮里3兄妹をプロゴルファーとして世に送り出した父親・優さんから「光るものは遊びの中から生まれる」と聞いていたからです。

例えばサンドウエッジ、あるいはピッチングウエッジでボールをカップに入れ合ったり、ボールに当て合ったりして遊びます。もちろんセオリーに沿ってしっかりとした技術でボールを打つことが大切なことは言うまでもありませんが、こうした他愛のない無邪気な遊びは、一方、セオリーにはないユニークな考え方、使い方を生み出します。状況に応じた臨機応変な対処を必要とするゴルフにそうした感性は欠かせない、というのが優さんの持論でした。

名古屋GC和合コースという戦略性の高い舞台で常識破りの「58」を出した石川は、すでにこれまでの尺度では測り切れない“遼イズム”で自分の世界をつくり出しています。高校卒業後にプロ転向する予定の浅地も、石川先輩に追いつけ追い越せの可能性を秘めている人材の一人でしょう。

こうしてみると、今年の国内男子ツアー界は、石川らの新感覚派とセオリー重視の旧勢力が、新旧世代交代を懸けてガチンコで激突する“分かれ道”を迎えたような気がします。

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR