米ツアー6年目の宮里藍が得たものは?

もう11月の半ばなのですから、当然といえば当然なのですが、USLPGAツアーは早くも11年シーズンの最終戦を迎えました。17日(日本時間18日)に米フロリダ州のグランドサイプレスGCで開幕した「タイトルホルダーズ」です。

第1日はチェ・ナヨン(韓国)が6アンダーの66で首位。日本勢は藍&美香の両宮里とも1アンダーの71(20位)とまずまずのスタートを切った、と外電は伝えて来ています。第2日以降、どんなゴルフで“有終の美”に結びつけるか、といったところが興味でしょう。

ところで、06年の米ツアー本格参戦から6年目となる宮里藍の今季の戦績は、前週まで優勝1回(7月下旬の「エビアン・マスターズ」)で賞金ランクは99万2176ドルで8位となっています。

昨年の大活躍はまだ、記憶に新しく、開幕戦から2連勝を含む、日本人プレーヤーとしては最多の年間5勝を挙げました。賞金ランクは最終的に6位でしたが、途中、トップの位置をキープ、岡本綾子(1987年に達成)に続く米ツアーの賞金女王の座を獲得するのでは? との期待が大きくふくらむ健闘でした。

そのイメージが強いだけに、派手な話題に欠ける今季は、ゴルフ好きの友人たちが言う「今年の藍ちゃんは、もうひとつだね。勢いは宮里美香の方に感じるけど・・・」というイメージに象徴されているかもしれません。

それは、ある意味、限界? という見方にも受け取れますが、私が今年の宮里藍に感じることは、まだ26歳の宮里藍には「老」という文字が失礼かもしれませんが「老巧」とか「老練」といった「熟練の域」です。

「老成」という言葉があります。辞書には「年のわりにおとなびること」「経験を積んで慣れ、巧(たく)みになること」(いずれも広辞苑)とあります。

「調和することの強さ」が本当の強さ

例えばUSGA(全米ゴルフ協会)が主催する「全米女子オープン」などは、コース・セッティングの難しさで優勝スコアがイーブン・パー前後となることはしばしばありますが、派手なバーディー合戦ではなく、こうしたパーセーブの地道な展開になると宮里藍の強さがキラリと光るところにそれを感じます。

7月中旬に開催された今年の「全米女子オープン」は、コロラド州の高地コースで行われましたが、コースの難しさに悪天候が加わり、中断、待機、サスペンデッドの連続で選手たちを悩ませました。

こうしたとき、選手たちの反応は、それぞれの性格もあり、イラつく人もいて、さまざまですが、強豪のC・カー(米国)などは「これを含めて全米女子オープン」という肝を据えた考え方をします。この大会、セルフ・コントロールが難しいコンディションの中で6位に入った宮里藍は、やはり、こういうことが分かっているのではないか、と思います。

「老成」を感じるのは、07年の夏からスランプに陥り、出口の見えないトンネルの中で悩み、苦しみ、引退も考え、09年の夏、ようやく「エビアン・マスターズ」で初勝利を挙げることができた苦悩の期間が、宮里藍に“ゴルフとは何か”の答えを与えているのでしょう。

今はテレビのゴルフ中継で的確な解説を展開させる森口祐子プロから、こんな話を聞いたことがあります。

「ゴルフって、いろいろな意味で自分が試されるゲームなんですね。昔は365日、自分の日でなくてはイヤだったけど、今は素直に向き合えるようになりました」

70年代後半から80年代かけて樋口久子、大迫たつ子、岡本綾子らと激しく競り合った実力者です。キュートな魅力とたたみかける攻撃ゴルフでファンをシビレさせた森口プロも、もう56歳になり、静かに語る「調和の強さ」には説得力がありました。

宮里藍が得た答えが何かは分かりませんが、森口プロが言う「調和の強さ」と「調和できる自分」が、派手さはないが、一喜一憂しない“大人の強さ”につながっているような気がします。

米ツアー本格参戦6年目にしてきたことをこの大会でどう締めくくるのか。まだまだ藍ちゃんから目を離すわけにはいきません。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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