遼クンとマスターズ

「50位」から一つ順位を下げた「51位」という微妙なポジションに“イマイチ”だった今季の石川を感じます。

男子ゴルフのアジアンツアー最終戦「タイ選手権」(18日最終日=バンコク郊外・アマタスプリングCC)で58位(通算9オーバーの297)と振るわず、2011年シーズンの最終世界ランク(12月19日発表)を51位とした石川遼(20)です。

この結果、来年の「マスターズ」(4月5日開幕=米ジョージア州オーガスタ)出場に関しては、招待条件の一つである「前年公式世界ランク50位以内」を逃し、後は「マスターズまでのツアー優勝者」となるか「マスターズの前週までの公式世界ランク50位以内」に入るか、あるいは「特別招待枠」に望みをつなぐか、となりました。

期待されながら“期待外れ”の今季未勝利に終わった石川に関して、周囲からは“あれ”が重荷になったんじゃないの? という声を多く聞きました。“あれ”とは、そう、3・11東日本大震災の支援活動として、今季の獲得賞金全額とバーディー以上1個につき10万円を寄付するという善行です。

震災に際して多くの人々が「自分にできることは何か」を模索し、石川も「今、ゴルフなどをしていていいのだろうか?」と悩みながらも、できることはゴルフ、それに全力を傾けた結果を被災者(地)への義援金に・・・と答えを出しましたが、それが負担となったのでは? という見方、50位と51位という天国と地獄の「1差」は、メンタル・ゲームであるゴルフ競技の“意地悪な怖さ”を感じます。

ゴルフが持つ意地悪な怖さ

青木功&中嶋常幸が全盛期のころ、2人は「マスターズ」開催コースのオーガスタ・ナショナルGCに足を踏み入れるたびに感慨深い言葉を口にしていました。

ロマンチストの中嶋は「心を無にし、その真っ白なキャンバスに今年はどんな絵を描けるかなァ」と瞑目し、職人肌の青木も「オレがこれまでやってきたことを試される場なんだよな、ここは」と、ここでの戦いが、それぞれの原点を再認識する場であることを共通項として話していたものです。

「マスターズ」は、他のメジャー競技のように毎年、開催コースが変わるわけではなく、ずっと同じ「オーガスタ・ナショナルGC」なのに、それこそ毎年、そこに棲むといわれる“魔女”に百戦錬磨の世界のマスターたちが翻弄されるさまが、名手の挑戦意欲をかきたてるのでしょう。

石川にとっても、それは同じです。

主催者特別推薦枠で招待された09年の初陣は、若き17歳にとって、ただただ、すべてがまぶしすぎた(予選落ち)ようです。10年の2年目は2日目、最終18番で5メートルのバーディーパットを外してカットラインに1打及ばず、悔し涙の予選落ちでした。そして11年、3年連続の3度目は、20位に入る健闘を演じ、憧れの舞台は、やっと戦える舞台へ態勢が整ってきたことを感じさせる戦績となりました。

であれば4年目を逃すわけにはいきません。石川は出場権の確保を目標に米男子ツアーの来季開幕戦「ソニーオープン」(1月12日開幕=米ハワイ州・ワイアラエCC)を皮切りに全力を尽くすつもりでいます。

「マスターズ」出場を決めている日本人選手は現在、アマチュアの松山英樹(19=東北福祉大2年)だけです。

プロとしてのメンツを懸けて、世代交代劇にストップをかけたベテラン勢との戦いのためにも、若手代表として、ここは引き下がるわけにはいかないでしょう。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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