今年も起きた「タイガーマスク現象」

善行が“一過性”でなかったことに心温まるものを感じました。今年も行われた「タイガーマスク現象」に関して、です。

新聞報道によれば、12日27日までに神奈川県厚木市、千葉県我孫子市、山形県南陽市など全国各地の自治体、施設にランドセルや玩具、文具などが置かれ、今年も善意の人々が、昨年に続き、継続して匿名の寄付を行いました。

大切なことは“今年も・・・”というところにあるのでは? と言えるでしょうか。

「タイガーマスク現象」の発端は、昨年12月25日、群馬県中央児童相談所に「伊達直人」と名乗る人物がランドセル10個を贈ったことでした。この出来事をきっかけにして、全国各地の児童施設を中心に次々に物品や金銭が贈られる善意の輪が広がりました。

いまさら説明の必要もないこととは思いますが「伊達直人」は、1960年代後半、少年漫画誌に連載された人気プロレス漫画「タイガーマスク」の主人公の名前です。

漫画の中の「伊達直人」を、原作者の梶原一騎氏は、児童養護施設出身のプロレスラーにつくりあげ、自身が育ち、お世話になった施設をファイトマネーで支援するため、ヒールとして活躍する役を与えています。

「伊達直人」の名が消える日は?

この「伊達直人」に名を借りた善行の輪について当時、さまざまな意見が飛び交う中、多くの識者が「寄付という行為に対する日本人独特の照れ」を挙げ、さらに「その照れくささを漫画の主人公がやったこと、その名を借りて行うことで解消、照れくさい寄付を楽しむ行為」とも指摘していました。善行に対して紙一重で“偽善”を自問自答してしまう潔癖な日本人には、ある意味、気楽さにおいて的を射た指摘だったかもしれません。

が、もう一つの見方は、この行為は果たして一過性のブームに終わるのだろうか、あるいは継続されるのだろうか、というところにありました。

そんな矢先、年が明けて日本はとんでもない悲劇に見舞われます。3・11東日本大震災です。

窮地にあって「頑張ろう日本!」「負けるな日本!」を合言葉に、善意の輪は、今、自分にできることは何か、と日本だけでなく、世界中に広がりました。日本人にとっては苦手だったかもしれない「絆」や「助け合い」の見直し、それは何も家族の間だけではない、困っている人と人の間、国と国の間にも・・・といった、それこそ“照れくさい”などといってはいられず、緊急的な必要性に迫られました。

そうした国の変化を背景に今年も起きた「タイガーマスク現象」には、あるいは“意識の変化”が起きているかもしれません。それは昨年、自身の行為を不自然さを含めて意識的に行ったかもしれない人々の間に、震災の悲劇を経て今年、行為をすることは当たり前という自然さが生まれているかもしれない、ということです。

継続されるということは、そうして当たり前になっていくこと、なのかもしれません。その行為にさりげなさ、自然さが生まれれば、あるいは「伊達直人」の名も自然に消えていくのかもしれません。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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