不可解な「休養王者」制度

“休養王者”とはホント、その定義がよく分からないシステムです。

プロボクシングのWBA(世界ボクシング協会)ルールによる定義では「正規王者が負傷などで戦線を長期離脱、定められた期間内に防衛戦を行えない場合、休養王者に認定される」とされていました。

その場合、不在となった正規王座は、暫定王者の昇格、あるいは王座決定戦によって決められ、休養王者は復帰後、新・正規王者との統一戦が義務付けられ、勝てば再び、正規王者に戻ることになります。

よく分かりにくい面は、長期離脱に決まった期間はあるのだろうか、ということと、グレーゾーンは、その期間がビジネスに左右されるのでは? という部分でした。

その象徴が、この制度に泣き、怒ったWBA世界スーパーフライ級王者の清水智信(30=金子)でした。

清水は昨年8月31日、王者のウーゴ・カサレス(メキシコ)を小差の判定(2-1)で下して同級王座を獲得しましたが、清水はこの試合で右目を負傷、眼窩(か)底骨折が判明し全治3カ月と診断され、年内の防衛戦は無理とされました。

さてさて・・・です。ゴチャゴチャとやっかいな出来事が持ち上がってきたのが秋口以降、亀田3兄弟そろい踏みの「亀田祭り」が12月7日(大阪・府立体育会館)に行われることが決まってからです。

長期離脱に期間は決められているか

このイベント、WBA世界バンタム級王者・亀田興毅(亀田)はV3戦、亀田大毅(同)はWBA世界スーパーフライ級暫定王者のテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)へのチャレンジとなっていましたが、11月に入ってWBAが清水を休養王者としテーパリットを正規王者に昇格することを発表。「亀田祭り」は、亀田陣営にとっては願ってもない、ダブル・タイトルマッチが実現することになったのです。

清水陣営は、年内には防衛戦が出来ないものの、3月(今年)復帰に向けて準備を進めており、休養王者扱いは、まさに“寝耳に水”の出来事でした。なぜなら、一例として大みそかに防衛戦を予定したWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(ワタナベ)は、1月31日(昨年)の試合で右拳を負傷、大みそかのV4戦(ホルヘ・ソリス戦=内山の11回TKO勝ち)は11カ月ぶりの試合でしたが、周辺に休養王者の声などはまったく出ていなかったからです。

ボクシング界において、こうした納得のいかない出来事は、得てして“力関係”が起こしがちですが、清水の悲劇も背景には、金子ジム(金子健太郎会長)が興行を亀田ジムに依頼していることにより、亀田ジム有利に運ばれたことが考えられます。

まあ、亀田大毅がテーパリットに敗れて正規王者にならなかったことが、清水陣営にとっては救いとなったかもしれません。そして、清水がやり遂げなければならないことは、復帰後、即テーパリット戦を行い、勝って正規王者の称号を取り戻すことでしょう。

その後、亀田大毅の挑戦を受けて叩きのめすことも、それまでの悔しさを晴らす、一つの方法となるでしょう。

とどのつまり、この世界で生きるボクサーは、リング下でビジネスがらみのさまざまなことが勃発しようと、リング上では常に勝つ! 強いボクサーとなることがすべてを解決させるのだと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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