日台2強が織りなした“勝負のあや”

〈あや(綾・文)〉①物の面に表れたさまざまな形・模様、または、いろどり。②入り組んだ仕組み。③物ごとの筋道、条理。使い方として「事件のあや」「勝負のあや」・・・など。=広辞苑&国語大辞典=

最後の最後まで緊迫感に包まれた素晴らしい試合でした。USLPGAツアーの開幕第2戦「ホンダLPGAタイランド」(2月19日最終日=タイ・サイアムCC)での、曽雅妮(ヤニ・ツェン=台湾)と日本のエース・宮里藍(26)の優勝争いです。

この大会が今季初戦の宮里は、好調な滑り出しで初日首位、大事な第3日も、曽に1打差の首位をキープして最終日を迎えました。

さて、その最終日ですが、前半アウト、1番(パー5)で宮里がバーディーを奪っても、曽がそれを上回るイーグルを奪取、ともに通算15アンダーの横一線でヨーイドン! となりました。

前半を終えて宮里が3バーディー、3ボギーでスコアを伸ばせず通算14アンダー。対する曽は1イーグル、3バーディーで通算18アンダーにスコアを伸ばし、この段階で4打差は、相手が米女子ツアー界最強の曽だけに、宮里にとっては厳しい展開となるように思えました。

が、勝負が懸かる“サンデー・バックナイン”で宮里は粘りに粘り、曽にプレッシャーをかけました。

15番(パー4)のバーディーで1打差に詰め寄り、大詰めの17、18番ではバーディーにはバーディーとハイレベルの応酬で見る側の手に汗を握らせます。結果としては、1打及ばずの2位に終わったものの、最後の最後まで集中力を切らさず、曽相手に堂々と渡り合った展開は、またひとつ成長、大きさを増した宮里を見た思いでした。

明暗を描いた10番からの3ホール

最後までお互いに譲らない五分と五分の熱い戦いは、まあ、もう順位などは“ときの運”がもたらす付録みたいなもので、どうでもいいのですが、それでも惜しまれた「勝負のあや」はありました。後半インに入った10番からの3ホールです。

バーディーを取るべきパー5の10番で宮里が計算通り、バーディーを奪ったのに対し、曽は不運にもディポットからの第3打が寄らず、しかも3パットのボギーにしてしまい、9番を終えたときの4打差が一気に2打差に縮まり、曽にあった流れが、宮里に傾きかけてきました。

11番(パー4)で宮里は第2打を約2メートルにつけてバーディー・チャンス。流れを失いかけている曽は、このホールも第2打でグリーンをとらえられず、苦戦を強いられます。が、宮里がバーディーを奪えず、曽は1パットのパー。

そして12番(パー3)で宮里は、またしても下り2メートルのバーディー・パットを外してしまい、曽にバーディーを許して生き返らせてしまいました。

「たら」「れば」・・・はもちろん、禁物ですが、もし、宮里が11、12番で、ともに約2メートルのバーディー・パットを沈めていたら、曽の展開が変わっていたことはいうまでもないことでしょう。

勝負どころでの明暗・・・つまり「あや」は、本当に微妙に縦・横・斜めの文様を描いて、戦う2人の心理を変えていきます。

優勝を惜しくも逃しながら、やるべきことをやり切った宮里の表情は満足そうでしたが、残念だったなァ、と思うのは、10番からの3ホールに見られた、シ烈な流れの奪い合い、に宮里が敗れたことでした。

この借りは何としても、次戦の第3戦「HSBC女子チャンピオンズ」(2月23日開幕=シンガポール)で返してもらうことにしたいものですが・・・。

(筆者注=試合の展開などはWOWOWの生中継から)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR