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親切って何?

ある地方都市での出来ごとです。
新幹線を降りて駅前に待機していたタクシーに乗りました。
目的地を告げると運転手さんが聞いてきました。
「どの道を行きますか?」

一瞬「エッ?」として、次は「ムッ!」としてしまいます。
答える言葉がつい、とんがりました。
「どの道っていったって分かるわけないでしょ。任せます!」
私の姿はといえば、大きなバッグを持って、おまけに新幹線の駅前、誰がどう見たって“旅の人”です。
その土地の地理などに詳しいはずはなく、それを承知で聞いてきたのなら、イヤミでしょう。

運転手さんが言いました。
「イエね。分かっているんですけど、会社がまず、お客さんにそれを聞けってうるさくてね」
つまり、客が指示した道を行けば、料金が高いぞ、遠回りしたな、なんていうクレーム、不快なトラブルは起きないわけで、会社としては、それが親切なサービスという、一方的な解釈なのでしょう。

このご時勢、客離れが進むタクシー業界は、激しい価格競争があったりして生き残りに懸命の情勢のようです。
なにせ利用する側の各企業は、ムダ遣い見直しの第一歩として交通費の節約を掲げ、東京都内の移動はもっぱら地下鉄励行の時代です。
だから、この種の見当違いの親切も起きてしまうのでしょうか。

こんなことがありました。
ドシャ降りの雨の日、タクシーに乗った私の座席は、びしょ濡れの傘で濡れてしまいました。
目的地に着いて降りたとき、タイミング良く、次の客が待っています。
乗客交代。と、そのとき、運転手さんが降りてきて、濡れた座席をタオルで丁寧に拭き始めたのです。

それを見ていた私は、素直に「申し訳ない」の言葉が口をつき、次の乗客も気持ち良く座席に座ったようでした。
なにげない配慮。何となく心が和む光景でした。

親切というのは難しいものです。
状況をまるで考えない押し付けのものもありますし、また、さりげなく行われ、気持ちが思わずフッと和むものもあります。

「どの道を行きますか?」の場合、乗客が知っていて指示したとしても、運転手さんが「お客さん、その道、今日は混んでいるかもしれませんよ。ちょっと遠回りになりますが、すいている道を行きますよ」と言われた方が、よっぽと親切心を感じます。料金が多少、割高になったとしても、気持ち良く支払えるものと思いますが、どうでしょうか。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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