ボクシングの採点に思う

115-113、117-110、118-110。

勝者に興毅の名が告げられたとき、会場を埋めた9000人観衆(主催者発表)の反応は、歓声&拍手ももちろん、ありましたが、ブーイング、エーッ! 負けてるぞ~! の声もまた、少なくありませんでした。

4月4日夜、神奈川・横浜アリーナで開催されたプロボクシングWBA世界バンタム級王者・亀田興毅(25=亀田)の4度目の防衛戦です。

試合を振り返ってみましょう。

リングに上がった興毅は、3階級目となる同級王座を奪取後、既に3度の防衛に成功していることもあり、あまり緊張感が感じられない余裕の表情を浮かべていました。

この日の相手ノルディー・マナカネ(28=インドネシア)が世界ランク11位ということもあったでしょう。もっとも、これは、亀田陣営が、そういう相手を見つけてきたことによるものですから、興毅の余裕は当然のことであったかもしれません。

が、事態は一変します。始まったばかりの初回、マナカネの大振りの右フックが顔に命中します。おや? 行けるかも・・・と思ったかどうかは分かりませんが、調子づいて手数でグイグイと押し始めたマナカネに対して興毅は、王者らしさを失い、本来の攻撃スタイルを忘れてしまったかのように攻め込まれてしまいました。

こんな攻防がしばらく続き、これといった打開策もなく、単調なボクシングに終始していた興毅は、あきらかに苦戦、劣勢を強いられていました。まあ、興毅のことだから、そのうち、10回くらいに一発逆転でもあるのではないの? との希望も外れ、体格差も生かせずに小柄なマナカネに再三、ロープを背負わされている姿は、イメージ的にもマイナスだったことは確かです。

このジャッジ構成では勝った興毅

そうした内容に対して出された採点・・・1人が2点差、他の2人が7点差、8点差の大差で興毅勝利を、さて、どう解釈したらいいのでしょう。

採点にはもちろん、基準があります。

▼75%=効果的な攻勢(パンチの①パワー②正確さ③手数)
▼20%=戦略に基づく主導権争い(リング・ジェネラルシップ)
▼5%=純粋な攻勢(攻める姿勢)

これを基準として世界戦では「10-10」を禁止することにより、ラウンドごとの差をより一層、明確なものにしていきます。

しかし、実際は3者3様に割れたり、有利が不利になったり、その逆となったりすることが多く、その原因を、スポニチ本紙の世界戦評論でおなじみの浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)は「人である採点者の見方の差」と言います。

つまり、例えば、軽いジャブをコツコツと当てている選手と手数が少なく単発ではあるが有効打を当てている選手が対戦しているとします。この場合、ジャブを取るジャッジと有効打を取るジャッジのスコアカードは、まるっきり逆の数字が並ぶのではないかと思います。しかも、10-10をつけないとなれば、なおさらのことでしょう。

ということで、人の目が判断する採点は、ときに“エエッ?”という結果を生みがちですが、浜田氏はこれを「このジャッジ構成ではこういう結果が出された。が、同じ試合をしても、他のジャッジ構成では同じ結果が出されるとは限らない」と“大人の解釈”をしています。

そうはいっても、何ごとにも“許容範囲”というものはあるわけで、世界王者たるもの、高いお金を払って会場に足を運ぶファンに「見に来てよかった」と言わせるだけの、いい試合を常に心がけてほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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