避けられない統一戦の激突!

プロボクシングの世界戦は、ともすれば見落としがちですが、対戦カードに応じてそれぞれ、魅力的な“キャッチ・コピー”がつけられています。

元統一世界ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)の全盛時、彼のためにあったキャッチフレーズは「Undisputed」(疑う余地のない=その後にチャンピオンとか実力者などの言葉が続きます)でした。

日本でも現在、9人の世界王者がいると、さまざまな角度から、ファンの注目を引くひと言が練られます。

例えば王者時代、しびれるような“KOアーチスト”ぶりで観客を魅了した長谷川穂積(真正)の試合は「THE REAL」でしたし、先に初防衛に成功した無敗のWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)には「Undefeated」(不敗の)とつけられました。

さらに以前、WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃(帝拳)のV5戦のとき、試合を主催したWOWOWはズバリ、単純明快ゆえによく分かり、迫力満点の「THIS IS BOXING」と命名しました。

西岡利晃のキャッチコピー
(西岡の試合につけられた「THIS IS BOXING」)

これらのキャッチ・コピーがつけられる条件は、その試合がまず“リアル”であることがことが前提でしょう。従って、世界ランクが二桁順位のチャレンジャーを迎えての世界戦など、キャッチ・コピーのつけようもなく、またそんな価値もなく、問題外となります。

そうした中、どんなフレーズが生まれるのか楽しみな世界戦が実現することになりました。4月9日に正式発表されたWBC世界ミニマム級王者・井岡一翔(23=井岡)vsWBA世界同級王者・八重樫東(29=大橋)の統一戦です。

WBC世界ストロー級&WBA世界ジュニアフライ級の元2階級制覇王者・井岡弘樹(井岡ジム会長)を叔父に持つ井岡は昨年2月、プロ・デビューから7戦目の国内最速で世界の頂点に立ち、初防衛戦をクリアした後、昨年大みそかのV2戦では、電光石火の1回1分38秒、TKO勝ちを収めました。

ファンは“本物志向”に飢えている

この時点で八重樫との統一戦は、次戦の選択肢の一つに挙げられていました。理由としては、今回の実現に対して井岡陣営が、ウエート面でミニマム級の維持は困難、これがこの階級での最後の試合になるだろう、と話していることが報じられており、同級ラストマッチの花道、といった意味合いが強いようです。

WBC&WBAの両団体統一戦で言うなら、日本人の世界王者が9人となった現在、3階級で日本人王者が並立しています。ミニマム級の2人を初め、バンタム級でWBA王者・亀田興毅(亀田)とWBC王者・山中慎介(帝拳)、スーパーフェザー級でWBA王者・内山高志(ワタナベ)とWBC王者・粟生(あおう)隆寛(帝拳)です。

先に3度目の防衛に成功した粟生ですが、陣営は今後の見通しとして内山と統一戦を「ファンが望む試合」として視野に入れていることを明言しました。井岡と八重樫の日本人王者が両団体の王座統一戦に臨むのは史上初の出来事ですが、今年はこれを皮切りに「THE REAL」に向かう流れが出来つつあるのではないかと思います。

とどのつまり、格闘技系の真髄は単純明快、誰が強いのか! をリング上で争うことであり、それを実現させるのは、王者が複数いるのなら、統一戦を行うしかないのが、今の時代(王者乱立の時代)の“役目”なのではないかと思います。

ちなみに日本はWBAとWBCの2団体に加盟していますが、他にIBFとかWBOなどに加盟していれば、王者の数はなお、多くなってくるのですから・・・。

統一戦の実現に向けては、それを中継するテレビ局の問題など、選手が戦う以前にさまざまな問題があり、それらをクリアすることが必要になります。

とはいえ、亀田vs山中の試合など、亀田に勇気があるならぜひとも、実現してもらいたい統一戦ですが、運営側が「まず、ビッグマッチありき」念頭に置き、ことを進めることができるならば、ファンは再び、ボクシングに振り向く機会が多くなるのでは? と思いますが・・・。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR