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マンション暮らし考⑩

昨年3・11の東日本大震災以降、人々の防災意識は個々、さまざまな形で高まりつつありますが、先に東大地震研究所が「4年以内に70%」などと発表した首都圏直下型地震発生の可能性もあり、備えへの心構えは、個人的なものから、さらに具体的なものへと発展、マンションという集合住宅での防災知識を深めたい、という実践的なものへと変わってきています。

私が住む02年(平成14年)8月竣工、今夏で築10年を迎える5階建て53戸の中規模マンションも、居住者のこうした声を反映して「防災訓練」が行われることになりました。

管理業務を委託する管理会社の担当者によると、消防設備点検業務(消火・警報・避難の各設備)は、法定点検として年2回、行っているものの、消防署員を招いての防災訓練は、定期的に行うことが理想(義務付けられているとのことですが)であるとはいえ、居住者の集まり具合との兼ね合いもあり、ついつい・・・というのが実情のようです。

とはいえ、なかなか、ついつい、を繰り返していれば結局、やらずに終わってしまうことになり、その間、ああ、あのときやっておけば・・・という出来事が起きて、悔いを残すことにならないためにも、とにかく実行! ということになりました。

さてさて、その当日です。消防車とともにさっそうと乗り込んできた消防署員の方々のカッコ良さに、居住する各家庭の子供たちは興奮気味、大喜びで走り回っていましたが、アレレッ! と拍子抜けだったのは、若い彼らが元気いっぱいに始めた“消火器の使い方”でした。

消防署側に求めたい具体的な指示

ハイ! まず「火事だ!」と大声で出火を知らせましょう。消火器はこう持ってピンを外し、ホースを目標に向けて、このレバーを握れば放水されます、などと教えられ、全員が順番に実践となりました。

そのことが、多くの防災訓練の中の一つであれば、何も文句はありませんが、どうやら、消防署側の方針は、消火器の使い方だけに終始しており、いかにもおざなり、3・11の危機感が多く残る中では、もの足りなさを感じる結果となりました。

私はリーダー格の年配の消防署員の方に聞きました。

「消火器の使い方を知っておくことは常識ですが、今なぜ防災訓練か、を考えれば、有事の際の専門家のアドバイス、つまり、火やガスの始末の仕方とか、揺れているなら、どのへんまで家にいて、どのへんで外に飛び出すか、などの判断とか、この地区なら、とりあえずあの地点を目標に逃げる、とかを具体的に話していただけないものか」と。

が、このリーダー格の年配氏は「避難場所については近々、ハザード・マップなどの防災情報が配布される予定なので、それを見ていただきたい」と言葉を濁し、地震発生の緊急時の対応についても、これといって参考になるようなことは言ってもらえませんでした。

例えば消火器にしても、底が腐食して爆発したなどという事故も起きたりしており、出来ればベランダなどの外に置くより、家の中に置いておいた方がいい、とか、寿命の期限を確認することを忘れず、いざというときに使える状態を保っておくこと、また、新しいものと代えるときの方法などを、使い方のほかに教えてくれればいいものを・・・と感じたものでした。

まあ、消防署側にしてみれば、決定事項の前にいろいろと言ってしまっては支障が生じるから、との懸念もあるのでしょうが、居住者が一生懸命に取り組みたい、この種の訓練の場で、指導する側にあまりお役所的な姿勢を示してほしくない、というのは皆が抱いた不満でした。

ただ、こうした訓練を実施して感じたことは、訓練を受ける側が皆、真剣だったことで、それが万が一のときに役立てば・・・と、防災訓練の今後の定期的な開催を痛感したものでした。

(「マンション暮らし考」の連載は「日常」のカテゴリに入れています)
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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