称賛に値するものは何か?

プロボクシングの連続KO記録は、世界を見渡すと「44試合連続」(世界新記録)などという、途方もないものがありますが、日本記録は元世界王者の浜田剛史氏(帝拳=1980年2月~85年4月)と牛若丸あきべぇ(協栄=04年10月~07年9月、本名・渡部信宣)が持つ「15試合連続」です。

牛若丸が14試合連続KO勝利を達成して、いよいよ浜田氏の持つ15試合連続KO勝利の記録に迫る試合が決まったとき(07年9月17日=対ファルカド・バキロフ戦、牛若丸の8回TKO勝利)浜田氏は、こう言いました。

〈記録はいずれ誰かに追いつかれるものだし、また、その気になればつくれるものでもあるでしょう。評価すべきは、内容の伴った記録かどうか、ではないでしょうか〉

本名の渡部でプロデビューした牛若丸は、2戦目から7試合連続KO勝利を続けたところで亀田一家に弟子入り。牛若丸というリングネームを頂戴したことでも分かるように、その後の7試合は韓国、インドネシア勢らを相手に“亀田流”のKO勝利を重ねました。

“だから・・・”と決めつけるわけではありませんが、亀田家を離れて初めて“それなり”の選手との対戦となった、世界ランク12位のバキロフ(ウズベキスタン)戦に勝ち、浜田氏に並んだ牛若丸は07年12月、16試合連続KOの国内新記録を懸けて実力者の日本ウエルター級王者・湯場忠志(都城レオスポーツ)と対戦。この試合には1回1分30秒、わずか90秒でKO負けを喫しています。

記録のための試合では意味がない

こんな例があります。05年1月、プロデビュー以来、14試合連続KO勝利を引っさげて東都初見参した金井晶聡(姫路木下)が、浜田氏の記録に並ぶ大事な試合にもかかわらず、日本フェザー級王者・榎洋之(角海老宝石)へのチャレンジという危険な賭けに出ました。

「ホンモノであることを証明したい」-。

それが金井陣営の意地です。当然、まず記録を優先させたほうが・・・タイトル奪取は、その後でも遅くないのでは、との意見があったことでしょう。が、姫路木下の木下貴志会長はあえて、困難の方を選びました。

この試合、金井は技巧派・榎に翻弄され、レベルの差をまさまざと見せつけられて7回、レフェリーストップでTKO負けしました。

こうした出来事に対して私は、あえて戦いの原点に迫った金井陣営の勇気と心意気を称え、負けはしたが、この負けは今後、必ず実るだろう、という見方をします(したいものです)が、一方では、もっと賢明な(かどうか?)別の考えも・・・と異議を唱える人もいることでしょう。

今年3月6日、元キックボクサーの土屋修平(角海老宝石)が、プロデビューから12戦連続KO勝利を挙げました。こうなるとぼちぼち、周りからも注目され、記録を意識する声が出始めます。しかし、11戦目となった昨年8月の福原寛人(江見)戦が初の10回戦とあれば、土屋にとって今は力を蓄えるときでしょう。

それに記録が伴うなら、言うことはありません。が、記録を優先させることで内容がおざなりになることは、ぜひとも、避けてもらいたいもの、と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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