なぜか最後となる“KOダイナマイト”の名前

「う~ん、アレ・・・アレだよ、アレ」-。

ボクシング好きの友人の口から、8人の日本人世界王者のうちの1人の名前が、なかなか出てきません。こちらは分かっているのですが「ド忘れ? まあ、1分間、待ってやるよ」と助け舟など出さず、の意地悪を決め込みました。

「う~ん、う~ん」と友人の、ノド元まで出かかっていながら思い出せない、苦しげな様子に「内山高志だろ」と私。「そう、それそれ」と友人は、胸のつかえが、やっと取れた様子でホッと一息でした。

日本人世界王者の名前を挙げるとき、なぜか真っ先にスッと挙げられるのがWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(35=帝拳)です。そして順次、名前が挙げられて、これもなぜか、なのですが、たいてい最後になってしまうのが、あるいは友人のようについ、ド忘れしてしまいがちなのが、WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32=ワタナベ)なのです。

この“なぜか”を追い求めていくと、やはり、プロデビューが高卒後、大学→社会人を経た後という遅咲き、地味な存在であること、さらに10年1月に世界王座を奪取した後、防衛戦の間隔、特に11年1月のV3戦から11年12月のV4戦まで、右拳故障のために11カ月もあいてしまったこと、などが、印象を薄くしてしまっていたのかもしれません。

とはいえ、プロの戦績をじっくりながめて見ると、地味だとか印象が薄いなどというイメージはなく、あらためて“凄さ”が感じられます。なにしろデビュー後、13戦無敗のまま14戦目で世界王座奪取、4度の防衛戦はすべてKO勝利を収め、18戦全勝(15KO)の戦績を誇っているのですから・・・。

近づく“統一戦”への期待!

その名前がなかなか出てこなかった友人でしたが、内山の強さにシビれたのは、前回のV4戦、暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との王座統一戦だった、と言います。

この試合は11年1月のV3戦から11カ月間のブランクがあったため、試合勘など不安視される材料を抱えていましたが、内山は王者らしい冷静な試合運びでペースをつかみ11回、開始直後に電光石火の左フックでソリスを沈め、観客の期待に応える勝利を挙げました。

友人が言います。

「あのフック、まさに“戦慄の一撃”だったね。ああいう勝ち方はホント、ファンを引きつけるよね」

今年に入り、内山の周辺につきまとっているのが、WBC同級王者・ 粟生(あおう)隆寛(28=帝拳)との統一戦です。

両団体の世界王座統一戦は、ミニマム級のWBC王者・井岡一翔(井岡)とWBA王者・八重樫東(大橋)が一足先に6月30日、大阪府立体育会館で激突することが決まっており、次は内山vs粟生との期待はふくらみつつあります。

内山はその前にV5戦、7月16日(埼玉・春日部市総合体育館)に世界ランク7位のマイケル・ファレナス(フィリピン)と戦うことが、このほど正式に決まりました。ファレナスは強打のサウスポーであり、なにやら“仮想・粟生”の匂いも漂います。

友人が言いました。

「もう、ド忘れはなし! にするよ。そして、誰もが内山の名前を真っ先に挙げられるよう、ビッグな存在にしたいね」と-。

もちろん、同感! です。そして内山にも、粟生との統一戦にたどりつけるよう、目の覚めるような“KOダイナマイト”ぶりでV5達成、を見せつけてもらいたいものです。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR