高齢者の味わい深い自然へのチャレンジ

5月20日付の新聞各紙社会面で“快挙”が報じられていました。

山梨・富士河口湖町在住の渡辺玉枝さん(73)が、エベレスト(世界最高峰8848メートル)の登頂に成功した、というニュースです。

新聞報道によると、渡辺さんは現地時間5月18日夜、8300メートル付近のキャンプからアタックを開始。同5月19日午前7時に頂上に立った、とのことでした。

73歳でのエベレスト登頂は、女性最高齢記録なのだそうですが、渡辺さんは10年前の02年5月、63歳時にもエベレスト登頂に成功、当時の女性最高齢記録を更新しており、今回は自身のその記録を塗り替える、あくなき前進による“快挙”達成となりました。

山岳にしろ海洋にしろ、高齢者による快挙達成が届けられるたびに、同年代の人たちは勇気と希望をもらうことでしょうし、とともに“生涯現役”を貫く原動力は何だろうか? ということを考えさせられてしまいます。

05年6月6日、ヨット(愛艇「酒呑童子Ⅱ」)による単独無寄港世界一周に成功した斉藤実さん(当時71)が、到着直後に口にした「カツオとマグロが食べたい」の一言は、234日間にわたった航海の厳しさ、苦労をしのばせて、快挙を祝福する人々の心を打ったものでした。

71歳の快挙達成は、ヨットの単独無寄港世界一周の世界最高齢記録であり、斉藤さんは当時のインタビューにこう答えています。

〈記録は破られるためにあるもの。誰かが必ず破る。だから自分自身を納得させるものがほしかった〉

斎藤さんは、世界最高齢記録の達成より、自分自身を納得させるために目標として掲げた「180日間」を切れなかったことを「失敗しました。申し訳ない」と悔しがりました。ここにも、あくなき前進、があることがうかがいしれます。

衰えない“あくなき前進”の気概

08年5月、プロスキーヤーの三浦雄一郎さん(当時75)が、エベレストの登頂に成功しました。

その直前に76歳のネパール人男性登山家が、ひと足先に登頂に成功していたため、世界最高齢登頂記録にはなりませんでしたが、70歳時に続く70代で2度のエベレスト登頂成功は、三浦さんにとっては人生最高の出来事だったに違いありません。

三浦さんもまた、当時のインタビューに印象に残る言葉を残しています。

〈大事なのは目標を持って生きることなんですね。私は、人に(何かを)教えるつもりはありませんが、100歳でフルマラソンを走った人がいるとかいう話などを聞くと、それは励みになりますね〉

こうしてみると、歳を重ねた人たちが、次々に成し遂げる快挙に共通しているものは、誰もが直面する「もう歳かな?」というところから、どれだけ自分を奮い立たせ、先に進むための挑戦魂に火をつけられたか、というところにあるような気がします。つまり、斉藤さんの言葉を借りれば「ダラダラと長生きしても仕方がない。チャレンジこそが人生だ!」の心意気です。

高齢者のチャレンジに対しては、重ねた豊富な経験とそれに伴う智恵に長(た)けていても、年齢とともに下降線をたどる体力面をどうカバーするか、というところが常に気になるところですが、渡辺さんや三浦さん、さらに斉藤さんたちには、歳とともに練られた気持ち(精神面=自然と調和させる心)が、体力面を補う気概が感じられます。

「登れないのでは? という大きな不安があり、それを超えられたことに満足している。日本の若い人たちも、もっとチャレンジしてほしい」(三浦さん)

「若い日本人には、勇気と度胸を持って、どんどん世界に出て行ってほしい」(斉藤さん)

若い人たちは、これらをどう受け止めるでしょうか。大いに刺激を受けて、その引き出しの中から「人が持つ“凄さ”」を見つけ出してほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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