“W宮里”の優勝争いの裏に・・・

通算11アンダーで並んで迎えた最終18番(パー5)の心理状態を考えてしまいます。ひと組前を行く宮里藍(27=サントリー)を見つめる最終組の宮里美香(22=NTTぷらら)の胸中はどうだったでしょうか。

“W宮里”の藍&美香が、ワンツー・フィニッシュを飾ったUSLPGAツアー「アーカンソー選手権」(7月1日=日本時間同2日=最終日、米アーカンソー州ロジャーズ=ピナクルCC)での、快挙だがまた、複雑な思いもふんだんに込められていただろう「悲喜こもごも」について、です。

藍がバーディーを決め、通算12アンダーでホールアウトした後、美香は第3打を3メートルにつけました。このバーディーパットを沈めれば、通算12アンダーで並び、米国を舞台に日本人選手が2人、プレーオフによる優勝争いを繰り広げる、という、歴史的な出来事となるところです。が、美香がこのパットを外し、藍が優勝、美香が2位・・・。

この大会の取材に当たっていたスポニチ本紙の通信員は、ホールアウト後の美香の談話を「本当にあと一歩、あと1打。悔しいけど・・・。(藍は)前の組で回っていて、ずっと見ていた。いいプレーをしている、私も頑張ろうと思った。最後は入れなきゃダメだと分かっていた。どうせならプレーオフをしたかった」と報じました。

美香にしてみれば今季、どうしても米ツアー初勝利がほしいところです。前戦の「全米女子プロ選手権」で2位。好調を持続させて臨んだ今大会、絶好のチャンスが来ましたが、優勝を争う相手が、よりによって同郷・沖縄の藍先輩になってしまったとは・・・。

相手が韓国勢だったら・・・涙の美香

かつて、こんなことがありました。01年の国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」(静岡・御殿場市=太平洋クラブ御殿場コース)に出場した、当時アマチュアの宮里優作(現プロ)の微妙な心理です。

このとき、優勝争いに絡んだ宮里は、最終日も健闘を続けましたが、ほんの些細なことが頭に浮かび、集中力を欠いてしまいます。結果、優勝は伊沢利光、宮里は2位タイ-。

後日談として、そのとき、こんなことがあったことが明かされました。

〈ボクらアマチュアが、プロに混じって試合をしているわけですが、プロたちの真剣な姿勢に触れ、これで稼ぎ、生計を立てている彼らの世界にアマチュアが入っていっていいものか、と・・・〉

宮里の人のいい性格がそう思わせたのでしょうが、そういう思いが浮上した時点で、勝利の女神は、この男を優勝争いから外してしまいます。それはそうでしょう。厳しさに徹しなければ、この世界、優勝などできるものではないのですから。

今回の“W宮里”の優勝争いをめぐる明暗に、この例はちょっと見当外れ、当てはまらないかもしれません。しかし、相手が“藍先輩”でなかったら、韓国勢であったなら、美香は3メートルをしっかり沈め、プレーオフで悲願の初優勝を達成していたように思えてなりません。

藍は、後輩の健闘を称え、そして“V逸”をいたわり「私は自分のベストを尽くした結果だから・・・。美香ちゃんには、そのうち順番が回ってくる」と話していました。

藍は前週の予選落ちから一転、4月中旬の「LPGAロッテ選手権」以来となる今季2勝目(ツアー通算9勝目)を逆転劇で飾り、賞金ランクもトップに躍り出ました。加えて藍が目標とする、最優秀選手を選出するロレックス・ポイントも3位に浮上です。

タイミングよく今週はメジャー第3戦となる「全米女子オープン」(現地時間7月5日開幕=米ウィスコンシン州)が開催されます。

メジャー競技に強い美香には、今度こそ! いやいや、やはり“W宮里”旋風を! 実力派2人の台頭は、どちらに優勝させたら? とうれしい悩みを生みそうな気配です。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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