さあ、出撃! その風体に市民権を!

スポーツ紙の記者が警察官から、挙動不審を主な理由とする職務質問を受ける、といったケースは結構、あるものです。私もスポニチ本紙に在職中、プロ野球担当記者時代に複数回、ありました。

スポーツ紙のプロ野球担当記者は、各自が受け持つ球団に一年中、張り付いて取材を続けます。シーズンが終わる秋以降の冬場は、球団事務所に顔を出し、球団首脳らをマーク、補強など来季に向けた人事問題を中心に、いわゆる“ストーブ・リーグ”を繰り広げます。

巡回中の警察官に「こいつは怪しい!」とチェックを受けるのは、だいたい“夜討ち”のときです。

球団事務所が、その日の業務を終業した後、人の目が何かと厳しい事務所の中では聞けなかったテーマがある場合、球団首脳の自宅前に張り込んで帰宅を待ちます。

たいていは夜、それも比較的、遅い時間となるのですが、従ってそれが警察官の目に触れ、不審人物として声を掛けられるのは、仕方のないことかもしれません。まあ、事情が分かり、疑いが晴れれば、お互い、遅くまでご苦労さん! といったことになるのですが、それにしても警察官は“職質”してみようかとする対象を、どんな基準で選んでいるのでしょうか。

といったことを考えたのは、プロボクシングWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28=協栄)が、今年3月、王座を奪取した翌日の28日に職務質問を受け、さらに5月にも再び、チェックされた、というハプニングが報じられたからでした。

佐藤のスピードvsロペスのパワーか?

このとき、私は思わず、吹き出してしまったのですが、押しも押されもしない世界チャンプとなっても、試合後の顔のハレとか茶髪とか、やはり目に触れる「風体」は、ちょっと声を掛けて見ようか、という基準、キッカケとなるようです。

さてさて・・・です。そんなリング下の出来事はともかく、この異色の王者が7月8日、初防衛戦の舞台(神奈川・横浜文化体育館)に上がります。相手は同級1位のシルベスター・ロペス(24=フィリピン)で、V1戦がトップ・コンテンダーとの指名試合となりました。

ロペスの戦績はここまで、23戦19勝(15KO)3敗1分ですが、この数字(KO率の高さ)を見る限り、パワフルにKOを狙って前に出てくる好戦的なタイプのようです。

では、佐藤はどうでしょうか。王座奪取戦となった3月27日(東京・後楽園ホール)のスリヤン・ソールンピサイ(タイ)戦を振り返ってみましょう。

序盤、距離をとった佐藤は、3回に右で2度のダウンを奪いました。中盤以降は、接近戦を挑んできたスリヤンの打撃戦に巻き込まれ、パンチも受けましたが、スピードと上手さで勝り、判定(3-0)で世界の頂点に立ちました。

体格面の比較としてスリヤン戦は、身長で10センチ、リーチで18センチ、佐藤が上回っていました。が、今回のロペスとは、身長で6センチ、リーチで3センチ、やはり佐藤が上回っているものの、その差は小差となっています。これがまた、優勢を生むかどうか-。

それにしても試合当日の8日は、格闘技ファンとって忙しい日です。

WOWOWの「エキサイトマッチ」は、早朝の午前5時からWBA&IBF&WBOの3団体統一世界ヘビー級タイトルマッチ、王者ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)vs挑戦者トニー・トンプソン(米国)の注目の一戦を生中継。さらに総合格闘技の「UFC-148」で行われる“絶対王者”アンデウソン・シウバ(ブラジル)のUFCミドル級王座の防衛戦をはさみ、ノニト・ドネア(フィリピン)vsジェフリー・マセブラ(南ア)のIBF&WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦も放送されます。

午後2時30分ゴング(TBSテレビ系が同時刻から生中継)が予定される“真昼の決闘”で、佐藤の試合が輝くか! もう2度と“職質”などを受けないよう、その名と顔・・・風体に市民権を与えられるような試合をしてほしいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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