「なでしこジャパン」に見る個々の献身

耐えて咲く-。

日本女性の強さが、かつてそうだったろう(今もそうかどうかは「?」ですが・・・)献身の形を、サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」が示して、悲願の五輪初メダル獲得を確定させました。

8月7日午前1時キックオフのフランス相手の準決勝戦です。私を含めてどれだけの人々が深夜、かじりついたテレビの前で大声(歓声と悲鳴)を上げ、手を叩き、そして勝利の瞬間、思わずウルウルと涙腺を緩めてしまっていたことでしょうか。

それより以前の準々決勝戦(日本時間8月4日)で「なでしこジャパン」は、パワフルな個の強さを持つブラジルを2-0で下しました。勝つためにあえて選択した守備の徹底。負けたブラジルが「勝利に値しない」と吐き捨てたところで、決勝トーナメントは結果がすべての一発勝負です。耐えて、耐え抜き、そして、つかんだ勝利。それこそが“なでしこ戦法”-。

そのチームの形は、フランス戦でも同様、いや、むしろ、ブラジル戦以上でした。

「なでしこジャパン」は前半32分、主将のMF宮間あや(27=岡山湯郷)のFKを相手GKブアディが後ろへそらし、ゴール前で混戦となる中、FW大儀見優季(25=ポツダム)が蹴り込んで先制します。後半4分には、再び宮間のFKを今度はMF坂口夢穂(24=日テレ)が頭で合わせ、貴重な2点目をゲットしました。

しかし、見る側の歓喜はここまでです。後半31分、1点を返したフランスが「怒涛(どとう)の攻め」(澤の表現)に転じます。日本ゴール前に攻め込んだ「トリコロール」軍団は、2波3波の波状攻撃で雨あられのシュートを浴びせます。

総力で防いだ20分間の「怒涛の攻め」

残り15分、プラス、ロスタイム4分の計20分弱、この猛反撃を「なでしこジャパン」は耐え抜き、凌ぎ切るのですが、DK陣を軸とする総力戦となった献身的な守備は、まさに感動ものでした。

ブラジル戦で「GK福元美穂(28=岡山湯郷)には、つい“竹槍”を思い浮かべてしまう」と書きましたが、再三のスーパーセーブでゴールを死守したフランス戦での福元は、まさに背後に後光が差す守護神と化していました。

W杯を制した「なでしこジャパン」が強いのは当たり前のことですが、直後の五輪でも優勝して連覇達成ということになると、過去に前例はなく、史上初の快挙となります。そうした強さを“なぜ?”と考えるとき、この五輪での日本勢のチーム戦での健闘が浮かび上がります。

例えば、決勝進出を決めて銀メダル以上を確定させた卓球女子団体の史上初の健闘、あるいはフェンシングの男子フルーレ団体で銀メダルを獲得した、これも史上初の快挙、さらに感動的だった、メダルラッシュに沸いた競泳陣の最後の種目、400メートル・メドレーリレーでの男子銀、女子銅、の健闘・・・などです。

個の力と組織の力は、常に対極にあり、団体戦、チーム戦のとき、組織の力の前に個の力が抑えられることはよくあることです。個の力がそれに反発して五輪の場、競技を終えた選手たちから、負けて結果が出せなくとも、笑顔で「楽しめた」という言葉が聞かれるようになったのは、1996年アトランタ五輪のころだったと思います。

日の丸を背負う重圧からの解放などを求める気持ちがあり、ちょっと「楽しめた」という意味が違うのでは? との非難もあり、そうした試行錯誤のときを経て今、あらためて見直され、求められるのは“全員一丸”の気概なのでしょうか。その根底に個々、あの「3・11」東日本大震災のニッポンの危機、があることは予測できます。

ここ一番に強い“チーム日本”の底力! それが、この五輪の場で発揮されているのなら・・・「なでしこジャパン」が米国と対戦する決勝戦(日本時間8月10日未明)も、負ける材料が見当たりません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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