プレーオフは誰のもの?

プレーオフ8ホール目を終えたポーラ・クリーマー(26=米国)と申ジエ(24=韓国)は、9ホール目を迎えて、続行“するか”“しないか”ティーグラウンド上で話し合っていました。

USLPGAツアー「キングズミル選手権」(9月9日最終日、米バージニア州ウィリアムズバーグ=キングズミル・リゾート)=大会の模様はWOWOWが中継=の熱戦です。

最終日、通算16アンダーで並んだ申とクリーマーは、18番(パー4)の1ホールで争うサドンデスのプレーオフに臨みました。が、ピン位置を変えないこともあってか、2人はともにパーを重ねて勝負を譲らず、8ホール目を終えた段階でついに日没が迫り、暗くなった中、その後をどうするか、運営側は、その判断を戦う2人に委ねました。

この状況で運営側には、翌日に「予備日」がしっかりと設けられており、この日に何が起ころうとも備えとしては万全でした。

万全でなかったのは、国内男子プロゴルフ・ツアーでした。「トーシン・トーナメント」(9月9日最終日、三重県いなべ市=涼仙GC)の最終日、通算18アンダーで並んだ池田勇太(26=日清食品)と呉阿順(27=中国)がプレーオフに臨みました。

この大会は途中、悪天候に見舞われ、不運な面もありました。第3日が雷雨のため中止。最終日も午前、雷雨のために約2時間以上の中断があり、18番(パー5)の1ホールで争うサドンデス・プレーオフも、開始が午後5時50分から、という、長引けば日没が迫る、きわどい時間帯となりました。

国内ツアーにほしい「備えあれば憂いなし」

こういうとき、皮肉なもので、ことはなぜか、長引いてしまうものです。1ホール目で決着がつかなかったプレーオフは、暗さを増した2ホール目から、距離を短縮する(約156ヤード)という異例の措置が取られます。3ホール目は約111ヤード。そして何と“ショートコース”並みの「45ヤード」に短縮された4ホール目、呉がティーショットからの“アプローチ勝負”を制して優勝を飾りました。

日本時間9月10日夜、WOWOWは同日午前9時(現地時間)から行われた、前日8ホール目からの続き、今度は16番から始まるプレーオフ9ホール目を映し出していました。

申とクリーマーの2人は前日、暗さが増す9ホール目のティーグラウンドに立ち、続行するかどうかを相談した末、申の「もうボールが見えない」にクリーマーも納得、翌日の予備日での再開を決めたのでした。

再開後は1ホール目(通算9ホール目)の16番で申がパー、クリーマーがボギーを叩き、長く、心身を消耗させたことだろう戦いは、ようやく終わりましたが、奇しくも重なり合った日米ツアーでの“日没対策”に「プレーオフは誰のもの!」という課題が浮かび上がりました。

苦肉の措置を取った国内男子ツアーの姿勢には、選手の意向よりも、日程を崩さずに大会を終え、次に進みたいという、運営側の意向が強く反映されているように感じます。

決着がついた4ホール目の、45ヤードに短縮! などという対策は、前代未聞! などというより、もう無茶そのもの、戦い続ける選手の気持ちを逆撫でするような出来事に思えてなりません。

対照的に米女子ツアーの措置は、あくまで選手の意向を尊重、暗闇の中でやりたいのならやってもいいですよ、が、翌日の再開もまた用意されていますよ、という「ゴルフはプレーヤー自らがレフェリーとなって問題を裁決し、処置し、責任をとらなければならない」という原則を尊んでいるところに熱く、共感を覚えます。

と考えたとき、国内男子ツアーが取った措置は、やむをえなかったこととはいえ、いかにもお粗末、選手たちが気の毒でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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