言葉は世につれ・・・ですか?

「ハンパない」という言葉は、このところしばしば聞かれます。

テレビのバラエティー番組などでも、タレントの口から頻繁(ひんぱん)に飛び出すようになり、しかし、聞く方(私ですが)は、意味は分かっても、何か違和感を感じてしまいます。

いまさら説明の必要もないとは思いますが、ハンパ=「半端」は、複数ある解釈の中で「どちらともつかないこと」(広辞苑)の「中途半端」的な意味を適用。それに「ない」をつけて、つまり「中途半端でない」こと。言い換えれば「生半可(中途半端)でない」「並大抵(ひと通り)でない」「徹底している」・・・といった類が「ハンパない」の意味です。

文化庁が9月20日に発表した恒例の平成23年度「国語に関する世論調査」の「普段の言い方」の項で「真逆(まぎゃく)」や「がっつり」などの言葉と並んで「ハンパない」も加わっていました。調査によると、これらの言葉群は、10~20代の若者層で頻繁に使われる一方、60歳以上の高齢者層では、ほとんど使われていない、ということが明らかにされました。

私は60歳以上の高齢者ですが、以前、同年齢の友人たちと雑談中、私たちが感じる「ハンパない」が持つ違和感って何だろう、ということが俎上(そじょう)に乗せられたことがあります。

別に「ハンパない」という言葉が使われないということではなく、この年代が抱く違和感は「ハンパ」と「ない」の間にあるべき「では」とか「じゃ」が省略され、短縮化されてしまっているからじゃないか、ということでした。

広がる若年齢層と高年齢層のギャップ

例えば、スポーツへの徹底した取り組み方に「アイツのやることは“半端ではない”な」とか、趣味が高じてマニアックの域に達すれば「半端じゃねェ~な。趣味もここまで来ればたいしたもんだ!」とか、の使い方が普通でした。

文化庁が施行するこの調査は、平成7年度から毎年、行われているものですが、パソコンや携帯電話の普及により、人々が文字を書く機会が減り、と同時に漢字を覚える機会も減っていること、また、若者の間の話し言葉、簡略化、省略化の代名詞でもある、来られる→来れる、などの「“ら”抜き」言葉が次第に普通になりつつある傾向、などをその都度、指摘しています。

今回の調査では特に、言葉の本来の使い方を誤用の割合が上回り、それが普通になってしまっている“危ない”傾向を指摘していました。

知らずに多く使われる誤用が正解とされて、正しい使い方が損なわれてしまうことは、何としても食い止めなければならないことです。しかし「ハンパない」のような、誤用ではない省略化された言葉は、それが広がって定着してしまえば、自然に容認されてしまいます。

とはいえ、使う側は、それがいかにも“軽薄”な響きを持って聞こえることを知り、仲間内での会話ならともかく、公の場で平然と使うことはくれぐれも避けてほしい、正しい使い方をしてほしいもの、と思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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