楽しみな日本女子オープンの結末

ようやく過ごしやすい季節の到来! となったところで、JLPGAツアーは目下、今季メジャー第3戦「日本女子オープン」(9月27日開幕、神奈川・横浜市=横浜CC西コース)の熱戦を展開中です。

強風雨に見舞われた2週前の“嵐の全英オープン”を耐え忍んだ藍&美香のダブル宮里も帰国して参加、強敵の韓国勢、中国勢、さらに台湾勢とともに昨今の「日本女子オープン」は、国内女子ゴルフの最高峰、というより、アジア圏女子ゴルフの最高峰、といった様相を呈し、各選手とも気合が入っています。

さて、ナショナル・オープンといえば、日米を問わず、主催者~日本ならJGA(日本ゴルフ協会)米国ならUSGA(全米ゴルフ協会)~が、ラフを深くする、フェアウエーの幅を狭くする、グリーンを速くする、など、これでもか! と一筋縄ではいかない、難しいコース・セッティングに仕立ててくるのが一般的です。

そのため、通常のスポンサー・トーナメントでは、上位者が簡単に2ケタ・アンダーに乗せる攻撃的なバーディー合戦を展開させ、ギャラリーを喜ばせても、ナショナル・オープンの場では、我慢の勝負、なかなか2ケタ・アンダーには届かず、歴代優勝者の中には01年大会(北海道・室蘭CC)を制した島袋美幸の4日間通算14オーバーなどがあるほどです。

最近の日本女子オープンで記憶に強く残るのが05年の大会、名門・戸塚カントリー倶楽部(神奈川・横浜市)西コースを舞台に宮里藍が、20歳105日の大会史上最年少の優勝(通算5アンダー)を飾ったことでしょうか。

戸塚CCの西、といえば、井上誠一氏による戦略性の高さがウリの設計。それに公式戦ならではの難しいセッティングが加わり、4日間の長丁場で選手たちの心身を消耗させました。

“頭脳”が勝負を分けるメジャー仕様の難コース

往年の勝負師ベン・ホーガンの言葉に「勝利の80%はコース・マネジメントが占める」というのがあります。プロともなれば球を打つ技術はほぼ横一線でしょう。差をつけるのは、いかに設計者の意図と対話しながら落とし場所を見極め、グリーン攻略を含めてコースを管理し切れるか、という“頭脳の勝負”にかかってきます。

その大切なコース・マネジメントに関して宮里は以前、父親の優さんから「お前の頭はカボチャか! ゴルフなんかやめてしまえ」と、こっぴどく叱られた経験があります。

01年9月、アマチュアで出場した「フジサンケイ・レディース」(山梨・富士桜CC)でのことです。パー5のホールでダブルボギーを叩いてしまった場面。優さんが言いました。

〈木の枝を抜いてグリーンを狙う状況で、ただ抜いただけに終わってしまう。ショートしてしまったカラーからのウエッジでの寄せにしても、パターを安全に使う選択肢だってあったろうに・・・〉

ほとんど攻略のイメージが感じられない対処法に優さん、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまった、というわけでした。

が、藍ちゃんは「カボチャ」ではありませんでした。大切なのは“失敗から何を学ぶか”ということでしょう。そんな失敗があり、それを糧としたからこそ、宮里は戸塚を制し、米国でもスランプを克服して今の活躍を生んでいるのでしょう。

もう一人の宮里、美香もプロ転向後の初優勝が、10年のこの大会(茨城・大利根CC東コース)でした。米国でも待望の初勝利を挙げた美香は、ショットの正確さではベスト5に入るほど、と言われており、メジャー向きの選手となりました。

役者がそろった大会は第1日を終え、4アンダーで首位に立ったフォン・シャンシャン(中国)を含めてアンダーパーが5人だけのシビアな勝負となっています。藍&美香は、ともにイーブンパーで首位に4打差の好スタートとなりました。

残り3日間、メジャー仕様のセッティングの中、実力者たちの心技体が見定める最善のルートをじっくりと拝見させてもらいたいものです。そして・・・誰が優勝するか、楽しみです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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