近づく軽量級世界最強の戦い

10月に入り、刻一刻と近づくビッグマッチに、プロボクシング界がジワジワと緊張感に包まれ始めています。

そうです。10月13日(日本時間同14日)に米カリフォルニア州カーソン(ホーム・デポ・センター)で行われる、WBC世界スーパーバンタム級名誉王者・西岡利晃(36=帝拳)が、元4階級制覇王者で現WBO&IBF世界同級王者のノニト・ドネア(29=フィリピン)に挑む、注目の一戦です。

この試合には、西岡に与えられたWBCのダイヤモンド・ベルトとドネアが保持するWBOとIBFのベルトが懸けられ、3団体統一という文字通り、ファンにとっては見逃すことが出来ないスーパーファイトですね。(試合の模様は10月14日午前11時からWOWOWで生中継されます)

西岡は10月3日に国内での練習を終え、いよいよ米国に乗り込み、本格的な臨戦態勢に突入します。国内練習の打ち上げに際して西岡は「本当にいい練習が出来た。(リング上で)自分の手が上がるまでは油断は出来ないが・・・」と話しています。

ところで先日、知人との雑談で西岡の試合が話題になりました。知人は、ボクシング・ファンではありませんが、西岡については結構、知識があり、詳しい話をしていましたが、ドネアに関しては一転、ところでドネアってどういう人なの? といった感じでした。

聞いている私も一瞬、拍子抜け、思わず、エエっ? となってしまいます。

う~ん、そうなのか。ボクシング関係者、あるいはボクシング・ファンら、少しでもでボクシングを知っている人なら、誰もがドネアの凄さを知っており、そのドネアと戦うことが決まった西岡の凄さにも興奮し、私たちも、西岡vsドネア戦は、いまさら説明の必要もない“世紀の一戦”という先入観でモノを言い、モノを書いてしまっています。

ドネアを知っている人は、知人のようにドネアを知らなかった人に対し、失望し、あるいは熱いファンなら、その無知を嘆き、カッとして詰(なじ)るかもしれません。

西岡vsドネア戦の凄さを認識させる役割

が、私はこのとき、ハッとして忘れてはならないことに気づきます。つまり、ドネアなど知らない人の方が、むしろ、大多数なのだろう、ということです。

西岡vsドネアの試合は、今夏8月15日に正式発表されました。会見場となった都内のホテルに集まった新聞各社、あるいは雑誌各社の担当記者たちは、この一戦の大きさをもちろん、知っており、熱のこもった会見となりましたが、それを伝える翌朝のスポーツ新聞各紙に足りなかったものは、今になって気づくことですが、知らない人たちに凄さを伝え切れていない、ということでした。

それを果たさなければ、せっかくのスーパーファイトも、それに向けた西岡の努力も、世間一般の“認知度の低さ”で色褪(あ)せてしまいます。

ドネアはフライ、スーパーフライ、バンタム、スーパーバンタムの4階級を制し、WBC、WBA、WBO、IBFの4団体の王者になるとともに、バンタム、スーパーバンタムの両級では2団体の統一王者となっています。

ボクシングの世界では、階級の壁を打ち破ったスーパースター、マニー・パッキャオ(フィリピン)の後継者と言われ、一撃必殺の軽量級離れしたハードパンチは「The Filipino Flash(フィリピンの閃光)」と命名され、多くのチャレンジャーを沈めています。

スーパーバンタム級の“頂上決戦”てなる西岡vsドネア戦は、また「スピードキング(西岡)対フィリピーノ・フリッシュ」の、見る側にとっても目が離せないスリリングな攻防が繰り広げられそうです。

西岡にとってカギを握るのが“距離”とは、よく言われることです。大振りだが速いパンチで前進してくるドネアをどうさばき、踏み込んで必殺の左を叩き込むか、が西岡に課せられたテーマです。

西岡陣営の帝拳・本田明彦会長は、西岡にとっては“区切り”となる試合、と話しており、試合後の動向が気になるところですが、その分、試合は「全身全霊!」ということになるでしょう。

日本人ボクサーが、こういう戦いの場に出て行くようになったことそのものが快挙なのです。西岡の勇姿に皆が熱視線を送り、その結末にオリンピック級の注目を注いでほしいと思います。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR