独善的男乃着物考其ノ拾弐

久々にこのシリーズに触れてみたくなりました。

というのも、10月=神無月(かんなづき)は、着物の四季でいう「正月」であり、にじみ出る汗を我慢した盛夏の薄物(ちなみに私が愛用している夏着物は、カジュアルな小千谷縮です)から、9月の単衣(ひとえ)を経て、いよいよ、待ちに待った「袷(あわせ)」に替えるとき、の到来だからです。

秋口を迎えたからといって昨今の残暑の厳しさは、まだまだ、単衣ごときでしのげるわけもなく、着物好きにとっては、早く来い来い! ではありませんが、どうしても10月以降、少し寒さを感じ始めるころの袷の心地良さを待ち望んでしまいます。

そうした心情は、何も私だけではなく、10月という季節は、特に女性にとって公式行事への出席など、着物を着る機会が多くなることもあって、日本足袋(たび)工業会が、10月8日を「足袋の日」(1988年に制定)などとしています。

そこで、今回のテーマを、意外に目立つ足元の足袋に絞ってみました。

最近、デパートなどの靴下売り場を見渡すと、5本指ソックス、あるいは、親指と人差し指の部分が足袋状に分かれた、2本指ソックスとでもいうのでしょうか、指部分が割れた靴下を多く見かけます。

こうしたソックスの着用は、スポーツ選手などの間でも、今や常識化しているようです。その理由として、最近しばしば聞かれる、指が分かれたソックスの効用に、足指の血液循環への効果、しっかり大地を踏みしめられることによる姿勢の矯正などの健康効果・・・があります。

足元も“硬派的”に! が原則です

これらの指割れソックスは当然、日本古来の足袋を参考に考案されてきたものでしょう。足袋を履くときの履き物は下駄、草履、雪駄などで、親指と人差し指の間が鼻緒の紐で刺激されることは、血行の促進をはじめ、体にある各所のツボへの刺激をも生む、とは、よく言われてきたことです。

しかし、足袋と指割れソックスに付随する健康効果が同じだからといって、履き心地も同じか、というと、それはまったく“別物”ではないかと思います。

足袋は、靴下のサイズより、半分下のもの(小さいもの)を履け、と言われます。それを実際に履いて見ると結構、窮屈であり、かかと部分で4枚小鉤(こはぜ)を掛け糸に留める際も、伸ばしながらの作業となってしまいます。

が、足袋というのは不思議なもので、こうして履いてみると、小さめのサイズゆえにシワもなく、足元の窮屈気味のキッチリ感覚が気持ちにも及んでシャッキリしてしまう感じになります。

私が日ごろ、愛用している足袋は「繻子(しゅす=光沢系の織物)の黒足袋」です。当初、木綿の紺足袋に魅力を感じ、しばらく履いていましたが、何となく“厚ぼったさ”を感じるとともに、使用後の洗濯を丁寧に手洗いしていたにも関わらず、縮み方が大きく、黒繻子に替えてしまいました。

感覚は“ほっこり”から“シャープ”に変わりましたが、今ではこの、足元のシャープ感覚がお気に入りとなっています。

ちなみに白足袋は、礼装時など改まった席のときに使用するものだそうですが、もちろん、それ以外のときに履いても問題はありません。しかし、私は基本的に白足袋のイメージがどうにもピンと来ないため、履くことのないように、と避けて通っています。

また、その日の着物に合わせて、色足袋や柄足袋も・・・という選択肢も好みによって出てくると思います。が、男の和装は徹底して硬派的に、が私のルール。足元も黒か紺、暑い盛夏には素足! が原則です。

(注=「独善的男乃着物考」シリーズは「日常」の項に収めています)
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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