結果を超えた過程を評価したい!

ウ~ン、残念でした。ホント、残念でした。

手が出ない。踏み込めない・・・。プロの勝負は結果がすべてなのですが、まあ、しかし、この試合ばかりは、日本人選手がこの大舞台に立ち、この選手と戦ったことの重要性を、結果を超えて評価したいと思えます。

WBC世界スーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃(36=帝拳)が、WBO世界同級王者ノニト・ドネア(29=フィリピン)に立ち向かったプロボクシングの世界同級王座統一戦(米カリフォルニア州カーソン=ホームデポセンター)=試合の模様は10月14日(午前11時~)にWOWOWが生中継=です。

結果は西岡が、6回に続き2度目のダウンを喫した9回、1分54秒でレフェリーが止め、TKO負けしましたが、頂上決戦に臨んだ「2012年10月13日(日本時間同14日)」は、ボクシング史に残る、後々にまで語り継がれる日になることでしょう。

ある程度、予想が出来たことですが、展開にもう一つ、不満を感じたのは、西岡が前半、慎重を期して満を持したこと、と、ドネアの左を警戒した右のガードの固さ、にあったためかもしれません。

西岡がこれまで、難敵を倒してきた一撃必殺の左ストレートは、右あってのものです。サウスポー選手の右ジャブ(通常の左ジャブ)は、様々なところで大事です。牽制としてのジャブ、距離を測るためのジャブ、自分のリズムをつくるためのジャブ、さらには打開策としてのジャブ・・・などなど。

ジムの先輩世界王者の浜田剛史氏(帝拳プロモーション代表)は日ごろ、西岡の左に関し「研究し尽くされた左を、それでも当て続けるには、右の多彩な使い方が欠かせません」と話していたものです。

右が使えず左が生かせなかった

が、この試合、ドネア相手に右の防御は絶対的なものとなり、自由自在の右を封じられた代償は大きいものとなりました。つまり、右を出せないから、左が連動しない、単発で出しても届かない、という苦しさです。

手が出ず、守りに回ったままの5回まで。ポイントもドネアにフルマークを許す、西岡にとっては不本意な展開でした。その矢先、6回に接近戦から放たれたドネアの左アッパーで西岡は尻もちをつく形のダウンを奪われてしまいます。

試合後にリング上でインタビューを受けた西岡は、戦い方として「(ドネアは)前半強いので中~後半に狙っていこうと思いました」と話しました。

確かにその通り、西岡は7回以降、前に出始めます。もちろん、ポイントでの劣勢もあってのことでしたが、それでも右のガードは崩せず、本来の柔軟性が感じられません。

9回、前に出てドネアをロープに追い詰め、左を狙った瞬間に飛んできたのが、狙い済ました右の、まさに異名通りの「閃光(せんこう)」をほうふつさせるショートでした。左をこれほど警戒したのが無駄になってしまった右からの一撃。ダウンを喫した西岡は、立ち上がったものの、追い討ちのパンチを受け、陣営がストップを指示、レフェリーストップのTKO負けとなりました。

強者と強者の対戦は、だいたい、こうした展開となりがちです。つまり、実力は五分五分でも、どちらかが優位に立って相手の良さを殺せば、一方的になる、ということです。この試合の場合、見る側は、西岡の手数の少なさに不満を覚え、出せ出せ! と思いますが、ここは出させなかったドネアの方に一枚上の強さがあった、ということでしょう。

西岡は、この大一番を最後に現役を引退することが確実視されることになりました。

勝てればもちろん、それにこしたことはなかったでしょう。が、西岡というボクサーが、一時は引退危機にまで追い込まれながら、それを乗り越えて上り詰め、最高峰の舞台に立って世界の一線級を振り向かせるまでに至ったことに最大級の賛辞を送りたい! と、私は思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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