“西岡以後”を背負う2人の世界王者
動向が注目される2人がいよいよ、その存在をアピールし合います。
プロボクシングWBC世界スーパーフェザー級王者・粟生(あおう)隆寛(28=帝拳)とWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32=ワタナベ)の日本人2王者です。
粟生は10月27日、東京・東京国際フォーラムでV4戦を、そして内山は12月31日に同級暫定王者ブライアン・バスケス(25=コスタリカ)と同級王座統一戦(東京・大田区総合体育館)を行うことが決まりました。
今年最後となる世界戦で、2人が負けるわけにはいかないのは、ノニト・ドネア(フィリピン)との王座統一戦に挑んだ西岡利晃(帝拳)が、敗れたものの日本のボクシングを世界にアピールした功績に応えるため、とともに、その後を受け継ぐリーダー格としての2人には、両団体の王座統一戦が避けられない情勢となっているからです。
粟生の相手は、同級4位のガマリエル・ディアス(メキシコ)です。
粟生の最初の戴冠は09年3月12日、オスカー・ラリオス(メキシコ)を下して得たWBC世界フェザー級王座ですが、このタイトルは同年7月の初防衛戦、指名挑戦者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)に敗れ、早々と手離してしまいました。
当時のロハスの戦績を見ると07年7月、ディアスとWBC世界フェザー級挑戦者決定戦を行っており判定負け、プロデビューから20戦目で初黒星を喫しています。
粟生はその後、階級を1階級上げたスーパーフェザー級で王座を再奪取。4度目の防衛戦でディアスを迎え撃つにあたり、その心に、自分が負けたロハスを下しているディアスは、どう映っていることでしょうか。
もはや避けられない2人の王座統一戦
という意味でも、今回の防衛戦は簡単ではありません。が、粟生がこの防衛戦に臨むにあたり、言い聞かせなければならないことは、目の前の難敵ディアス以上に“その先”を視野に入れなければならず、そのあたりの心理が勝負を分ける分岐点となりそうです。
その視線を受ける内山もまた、難敵を迎え撃つことになりました。暫定王者のバスケスは、29戦全勝(15KO)の無敗を誇っています。
“KOダイナマイト”の異名通りのKO劇を続けている内山ですが、この一年半余は“山あり谷あり”の状況を強いられました。11年1月の三浦隆司(横浜光)戦=V3戦=は、予定されていた暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との統一戦が、相手の体調不良で流れたことによる急造カードでしたし、その試合に勝ったものの、拳の故障で1年間のプランクを余儀なくされました。
昨年大みそか、ようやくたどりついたソリスとの王座統一戦(11回TKO勝ち)を経て今年7月、感謝の気持ちを込めて地元・春日部(埼玉)での防衛戦を開催しましたが、結果は偶然のバッティングによる3回負傷引き分けという不本意なものになってしまいました。
それもありますが、ソリスとの統一戦から1年、またまた暫定王者バスケスとの統一戦というのも、かなり酷な指名戦です。
・・・であっても、粟生同様、内山もまた、目の前の難敵バスケス以上に“その先”を視野に入れなければなりません。粟生にしても内山にしても、それが、西岡に代わって日本のボクシング界を引っ張る者たちのお役目なのです。
西岡以前→西岡以後へ。粟生と内山は、もはや王者の中の一人ではなく、他の王者たちを含む日本プロボクシング界のリーダーとしてあるべき存在であり、だからこそ2人の統一戦は避けられないのだと思います。
プロボクシングWBC世界スーパーフェザー級王者・粟生(あおう)隆寛(28=帝拳)とWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32=ワタナベ)の日本人2王者です。
粟生は10月27日、東京・東京国際フォーラムでV4戦を、そして内山は12月31日に同級暫定王者ブライアン・バスケス(25=コスタリカ)と同級王座統一戦(東京・大田区総合体育館)を行うことが決まりました。
今年最後となる世界戦で、2人が負けるわけにはいかないのは、ノニト・ドネア(フィリピン)との王座統一戦に挑んだ西岡利晃(帝拳)が、敗れたものの日本のボクシングを世界にアピールした功績に応えるため、とともに、その後を受け継ぐリーダー格としての2人には、両団体の王座統一戦が避けられない情勢となっているからです。
粟生の相手は、同級4位のガマリエル・ディアス(メキシコ)です。
粟生の最初の戴冠は09年3月12日、オスカー・ラリオス(メキシコ)を下して得たWBC世界フェザー級王座ですが、このタイトルは同年7月の初防衛戦、指名挑戦者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)に敗れ、早々と手離してしまいました。
当時のロハスの戦績を見ると07年7月、ディアスとWBC世界フェザー級挑戦者決定戦を行っており判定負け、プロデビューから20戦目で初黒星を喫しています。
粟生はその後、階級を1階級上げたスーパーフェザー級で王座を再奪取。4度目の防衛戦でディアスを迎え撃つにあたり、その心に、自分が負けたロハスを下しているディアスは、どう映っていることでしょうか。
もはや避けられない2人の王座統一戦
という意味でも、今回の防衛戦は簡単ではありません。が、粟生がこの防衛戦に臨むにあたり、言い聞かせなければならないことは、目の前の難敵ディアス以上に“その先”を視野に入れなければならず、そのあたりの心理が勝負を分ける分岐点となりそうです。
その視線を受ける内山もまた、難敵を迎え撃つことになりました。暫定王者のバスケスは、29戦全勝(15KO)の無敗を誇っています。
“KOダイナマイト”の異名通りのKO劇を続けている内山ですが、この一年半余は“山あり谷あり”の状況を強いられました。11年1月の三浦隆司(横浜光)戦=V3戦=は、予定されていた暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との統一戦が、相手の体調不良で流れたことによる急造カードでしたし、その試合に勝ったものの、拳の故障で1年間のプランクを余儀なくされました。
昨年大みそか、ようやくたどりついたソリスとの王座統一戦(11回TKO勝ち)を経て今年7月、感謝の気持ちを込めて地元・春日部(埼玉)での防衛戦を開催しましたが、結果は偶然のバッティングによる3回負傷引き分けという不本意なものになってしまいました。
それもありますが、ソリスとの統一戦から1年、またまた暫定王者バスケスとの統一戦というのも、かなり酷な指名戦です。
・・・であっても、粟生同様、内山もまた、目の前の難敵バスケス以上に“その先”を視野に入れなければなりません。粟生にしても内山にしても、それが、西岡に代わって日本のボクシング界を引っ張る者たちのお役目なのです。
西岡以前→西岡以後へ。粟生と内山は、もはや王者の中の一人ではなく、他の王者たちを含む日本プロボクシング界のリーダーとしてあるべき存在であり、だからこそ2人の統一戦は避けられないのだと思います。
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