「既成」を崩す平成世代の「資質」

3年ほど前のことになりますが、夏場に静岡県内で開催されたJLPGAツアーのある大会に出向いたところ、樋口久子・JLPGA会長(当時=現・JLPGA相談役)と出会い、こんな話を聞きました。

〈最近はね、半年もツアーの現場から離れてしまうと、すっかり様子が変わってしまうほどなんですね。若い人たちがドンドン出てきて、ホント、新陳代謝が激しくなっていますね〉

確かに賞金女王の顔ぶれを見ても、不動裕理が00年から6年連続の偉業を達成して“不動”の絶対女王時代を終えた後は年々、顔ぶれが変わり、日本人選手の2度目は、まだありません。

新勢力の台頭によって旧勢力の“安泰”がなくなる昨今の傾向の中、今年の展開も、日本人選手に限りますが、3勝を挙げて賞金ランク3位(10月24日現在)の有村智恵(24)を軸にして週代わりで優勝者が変わるめまぐるしさで、半年どころか、一カ月も離れるともう、読めなくなってしまうほどの様相を呈しています。

日本人選手の混迷は、常に優勝にからんでくる韓国選手ら外国人選手の合い間を縫う形を強いられていることが原因になっていると思われますが、今季1勝を挙げている選手を見ると、ほとんどが「平成世代」であることに興味を覚えます。

平成も、もう24年が間もなく終わろうとしており、例えばUSLPGAツアーで頑張る1989年(平成元年)10月10日生まれの宮里美香が、もう23歳になることを考えれば、平成世代の活躍について、別に驚くこともないわけです。

激化する新旧世代闘争

が、メンタル・ゲームのゴルフは、男子ゴルフで43歳の藤田寛之(今季3勝=賞金ランク1位)や44歳の谷口徹(同3勝=同2位)=10月24日現在=が、円熟期の強さを発揮しているように、経験に裏打ちされた攻守の豊富な知識、心技の成熟度が、大きな武器になります。

昭和世代の代名詞でもある「根性」や「汗」と「涙」・・・そうして到達した一定のレベルから、さらに上に進むには「経験」が必要、と皆、これまではだいたい、そうした段取りで頂点を目指してきたのではないかと思います。

しかし、女子ゴルフのV戦線を彩る面々は、ほとんどが新世代です。笠りつ子、吉田弓美子(ともに1987年生まれ)、若林舞衣子、服部真夕(ともに1988年生まれ)、木戸愛、斉藤愛璃(ともに1989年生まれ)、森田理香子、大江香織(ともに1990年生まれ)、成田美寿々(1992年生まれ)・・・といった若い面々です。

彼女たちは、ジュニア時代に相応の経験を積んでいたにしても、それはあくまでアマチュアのレベルであり、プロとしての本格的な経験については、年齢的にまだ少ないことは当たり前のことでしょう。

それをカバーしているものは何なのだろうか? とは、常に考えることですが、平成新世代が「既成」に競りかける武器は、何よりも「資質と感性」そして、揺るぎのない「個性」なのだろうか、と思ってしまいます。

つまり「昭和世代」たちが根性と汗、涙で得た一定レベルを「平成世代」たちは「資質と感性」で既に満たしており、彼・彼女たちが、そこから流す汗と涙は、その上に進むものとしてあるのでしょう。

とはいっても、両世代の共通項は「努力」です。藤田や谷口、さらに他ジャンルでもサッカーのカズこと三浦知良ら“オジさん”組が気を吐いています。新世代組も、これに負けじとどんどん、世界の最前線に飛び出していってもらいたいものだと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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