さあ出撃! “ポスト西岡”への道

“ポスト西岡”に向けてプロボクシングのWBC世界スーパーフェザー級王者・粟生(あおう)隆寛(28=帝拳)が、大事な防衛戦(V4戦)を迎えます。

10月27日、東京・東京国際フォーラムで行われるWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ、相手は侮れない同級4位のガマリエル・ディアス(31=メキシコ)です。(試合の模様は10月27日午後4時から日本テレビ系で生中継されます)

この試合に懸かる粟生への期待は、ズバリ、西岡の後継者になり得るか、ということ。つまり、ノニト・ドネア(フィリピン)に果敢に挑んだ西岡利晃(36=帝拳)=9回TKO負け=以後の日本プロボクシング界を背負えるか、新エースとなり得るか、というところに懸かっています。

このディアス戦後の粟生は、帝拳・本田明彦会長によると、WBCは、注目を集めるWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(ワタナベ)との統一戦を行うなら、その前に1位選手(セルヒオ・トンプソン=メキシコ)か2位選手(ディエゴ・マグダレノ=米国)との指名防衛戦を行うことを義務付けている、とのことです。

すべては、このディアス戦の結果次第ですが、 粟生が“ポスト西岡”を目指すなら、次々に襲いかかる、これら難敵との対戦を乗り越えていかなければならないでしょう。

粟生という選手は、千葉・習志野高時代、史上初の高校6冠を成し遂げ、鳴り物入りで帝拳ジムに入門した逸材です。

03年9月にプロデビュー。この3カ月後の同年12月、亀田興毅がプロデビューしており、ともにKO競演の滑り出しだったこともあり、東の粟生、西の亀田、と、新鋭2人k出世争いが注目され、ファンの間でも爆発的な人気を呼んだものでした。

後継アピールに欠かせないKO勝利!

が、2人の育成法は対照的なものとなります。亀田興の連戦連勝、派手なKO勝利は、どうにもよくわからない外国人選手が相手だったのに対し、 粟生の相手は、8戦目に早くも元日本ランカーの宮田芳憲(角海老宝石)との試合が組まれるなど、楽ではない道を歩かせられることになります。

宮田の試合、初めて10回の長丁場を戦い、その内容も、しつこく粘る相手ともみ合う消耗戦の苦しい展開を強いられ、判定勝ちしたものの、コーナーで見守る粟生陣営は、試合が終わるまで冷や汗が乾くことのない綱渡りの試合となりました。

まだ育成段階のこの時期、亀田興のように楽な相手にKO勝ちすることで自信をつける方法もまた、一方にはあることかと思います。

が、このとき、本田会長は、こう言いました。

〈苦戦することは承知の上ですよ。負ければそれだけのこと。今の自分のボクシングではダメなんだということが分かり、やり直せばいいだけのことです。今、もっとも必要なのは、様々な相手と戦うことによって得られる“経験”なのですから〉

西岡同様の天才肌。アマチュアで活躍した選手らしく、かわして放つ左カウンターは、威力、タイミングとも抜群のものがあり、技術的に言うことはないのだそうですが、指導に当たった元世界王者の浜田剛史氏は「それはアマチュアでのもの。プロの試合は、かわすだけではダメ。勝負どころでのぶつかり、真っ向勝負は、避けられないのですよ」と課題を挙げていたものでした。

そうしたものが理解でき始めたとき、粟生には、世界王座が向こうから近づいてきたような気がします。2階級目の現階級でV3達成。が、今回のV4戦で何としても欲しいのは、11年4月のV1戦以来となる1年半ぶりのKO勝利でしょう。

“魅せた”西岡に続くには、強敵のディアス戦、ぜひともKO防衛を期待したいところですが、果たして粟生は、そんな期待に応えてくれるでしょうか。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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