“アラフォーの星”たちの重い言葉

11月を迎えて、国内男子プロゴルフツアーは、いよいよビッグトーナメントがズラリと並ぶ終盤戦に突入します。

・・・そしてこの時期、目が離せないのが、43歳・藤田寛之(葛城GC=1969年6月16日生まれ)と44歳・谷口徹(フリー=1968年2月10日生まれ)の、40代選手2人の賞金王争いでしょうか。

「若いヤツ、しっかりしろよ!」-誰かサンの発言ではありませんが、池田勇太や石川遼の若手選手をシリ目に“アラフォーの星”のこの2人、賞金ランクは目下(11月1日現在)藤田が獲得賞金1億1835万6222円で1位、谷口が同9363万8516円で2位と、激しく競り合っているのです。

先に終了した「ブリヂストン・オープン」(10月21日最終日=千葉・袖ヶ浦CC)での2人の争いは、40代選手の凄さ、底力を見せつけられるものとなり、ビックリさせられました。

藤田を追う谷口が最終18番(パー5)で、残り109ヤードの第3打を直接放り込むイーグルで逆転します。信じられない! 出来ごと。1打を追うことになった後続の藤田が、最終ホールでバーディーを奪えず、谷口の奇跡的な優勝となりましたが、勝利に向けたこの種の執念は、やはり、数々の修羅場をくぐり抜けてきた、豊富な経験を積んだ者だけが持つ“凄み”でもありました。

40代となって上り調子を続ける藤田が、その理由を聞かれて「20代のころよりも、今の方が確実に“上手く”なっていると思う」と答えていました。

昔と今の差は「質の差」

そのコメントを聞いて“どこかで聞いたことのある言葉だなァ”・・・と思い、やっと思い出したのが格闘家(グレイシー柔術)のヒクソン・グレイシー(52=ブラジル)でした。

高田延彦との2戦(1997年と98年)船木誠勝(2000年)にいずれも勝利したヒクソンが2002年春、自身の写真集のPRのため来日したとき、単独インタビューする機会を得ました。

当時42歳のヒクソンに若い時代との比較を聞いたとき、ヒクソンは「20代のころよりも、今の方が確実に“強く”なっていると思う」と、藤田同様の言葉を口にしたのです。

ヒクソンは、こう続けました。

〈若いときは、それなりの若さ、つまりパワーや突進力とかスタミナ、があり、それはそれなりに戦いに欠かせないものだ。が、トシをとってそれらがなくなってきても、それに代わる経験というものが身についている。経験は大きいよ。どんな局面になっても対応できる知恵となるからね。つまり、昔と今とでは、強さに質の差がある、ということだ〉

こういう言葉が、ヒクソンの口から出ると、聞く方の胸にズシリと響きます。同様に藤田も谷口も今、若いころとは「上手さに質の差がある」ことを感じつつ、大事な1打に向かうときの迷いのない自信が、好調を持続させているのではないかと思います。

藤田は今週、世界ゴルフ選手権シリーズの最終戦となる「HSBCチャンピオンズ」(11月1日開幕=中国・広東省)に出場します。その後、帰国して国内ツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11月8日開幕=静岡・太平洋クラブ御殿場コース)から再び、谷口と負けられない賞金王争いを展開させます。

“アラフォーの星”2人が、正念場でどんな円熟の心技を見せてくれるのか、それが楽しみな、大詰めの国内男子ツアー界です。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR