今年の「新語・流行語」候補語に思うこと

この“声”を聞くと「ああ、今年も終わりが近づいたなァ」と感じます。

そうです。この1年間に発生した言葉群の中から世相を映し出す新語・流行語を選ぶ「ユーキャン新語・流行語大賞」です。

2012年の候補50語がこのほど発表(年間大賞は12月3日に発表されます)されましたが、スポーツ界では今夏、ロンドン五輪が行われ、日本勢は史上最多38個のメダルを獲得したこともあり、候補9語はすべて五輪関係のものとなりました。

五輪開催中、その言葉を聞いた瞬間、これは話題になるな、と思ったのは、銀メダル獲得の快挙を演じた競泳男子400メートル・メドレーリレーでバタフライの松田丈志が競技終了後、康介さん(北島=平泳ぎ)を「手ぶらで帰すわけにはいかない」・・・とコメントしたときでした。

これは背泳ぎの入江陵介が口にした「27人(日本競泳代表陣)のリレー」からも読み取れるように“絆”と“その強さ”を表現するもので東日本大震災以降、日本社会に求められた“輪”とか“つながり”を具現した言葉として名言でした。

もっとも、松田が口にしたこの言葉について、私の友人は「あのリレー、皆が何か(あるいは誰か)のために戦っていたことは、見ていて分かったよな。それが北島のためだったかどうかは分からないが、男・松田なら、胸にしまい“言うべきではなかった”かもな」と厳しく、核心を突く意見を話していました。

世相の反映から世代の差の反映も・・・

胸中の思いは、言葉となって表に出た瞬間から、一人歩きします。恐らくこの名言「手ぶらで帰すわけにはいかない」は、最終選考でトップ10に入ってくるのではないかと思われますが、一方、我が道を歩んでさまざまな大記録を樹立してきた北島が、この言葉をどんな気持ちで、どう受け止めるのか、が、気になるところでもあります。

昨年を振り返ってみると、トップ10のうち5つまでを「帰宅難民」「絆」・・・など東日本大震災関連の言葉が占めました。年間大賞に輝いたサッカー女子日本代表の愛称「なでしこジャパン」は、沈む日本をW杯優勝という奇跡的な快挙で元気づけ、勇気づけ、誰もが無条件で拍手を送り、復興に向けて“なでしこジャパンに続け!”という気持ちさえ起こさせたものでした。

対照的に今年、社会のジャンルでノミネートされた33語のうち、ITやネット関連の言葉が6語~「いいね!」「ナマポ」「遠隔操作ウイルス」「ネトウヨ」「ソー活」「キンドル」~候補となっています。

この6語のうち、いくつ分かるか、は、世相の反映より、むしろ、世代の反映に関わってきそうですが、これも時の流れ、これからは一部ジャンルで使われていた言葉が、どんどん表に出てくるようになりそうです。

ところで先日、テレビのニュースを見ていたところ、田中真紀子文部科学相の大学新設不認可、一転、認可問題に対して、地元関係者の間では「まきこにまきこまれた」という言葉が伝わっていることが報じられていました。

「新語・・・」候補語の締め切り前なら、確実にノミネートされたでしょうし、ひょっとしたら流行語大賞に選ばれる可能性もある“惜しい”言葉です。が、もしそんなことにでもなれば、同文科相のこと、またまた「逆にいい宣伝になって・・・」など“どや顔”で胸を張られてしまいそうですから、締め切り後の出来ごとでよかったのかもしれません。

言葉はホント、面白くもあり、難しくもあり、生きているものであり、だと思います。数年後、ノミネートされた言葉のいくつが分かるものなのか。「現代用語の基礎知識」(自由国民社刊)の編集作業も“ご苦労さま”ですが、私にしてみても、世代間の差がテーマとなりそうで、それを出来るだけ縮める労力が今後、どんどん必要になってきそうです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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