メディアと地震報道

平日の夕刻時、在宅のときはたいてい、TBSテレビ系の「Nスタ」(午後4時53分~)フジテレビ系の「スーパーニュース」(午後4時50分~)を見ています。

といっても2局のニュース番組を同時に見ているわけではなく、チャンネルを途中、カチカチと切り替えながら交互に・・・という“落ち着きのない”見方です。

12月7日の金曜日-。この日はまず「Nスタ」からスタートさせました。と・・・開始からすぐに緊急地震速報が入ります。同日午後5時18分ごろ、震源は三陸沖、震源の深さは約10キロ、マグニチュード「7・3」(推定)の地震が発生した、という概要でした。

揺れは東北地方の太平洋側で震度4~5弱、エリアは広く、関東地方でも北部の太平洋側で震度5弱が観測されました。ちなみに私が住む関東地方の南部(神奈川県藤沢市)でさえも震度4が観測されており、体感的に規模の大きさが推測されたものでした。

では、このとき・・・地震が発生→緊急地震速報がテレビの画面に映し出されてから(この時点で私自身はまだ揺れを感じていません)テレビ局の対応はどうだったでしょうか。

見ていた「Nスタ」の場合、画面はすぐに切り替わり、サブ・キャスターを務める久保田智子アナが、状況を説明するとともに「揺れへの注意」さらに津波への対応として「遠くへ逃げるより、近くの高台を目指す」ことを強い口調で指示。「東日本大震災を思い出してください」を何度も繰り返し連呼したことが印象的でした。

一般的に地震報道は、まず揺れがあり、その後にテレビ、あるいはラジオで「今、地震があった」ことが報じられ、情報の入手とともに震源、揺れの規模などの詳細が“その後”に続々と知らされます。

が、この日、私がアレッ? と思ったことは、私が住む地域が、震源から遠隔地ということもあったでしょうが、テレビの画面で久保田アナが「揺れへの注意」を喚起してから数秒後に揺れがきているのです。つまり、わずかの時間であっても、これから揺れるという心構えができる“間”があったわけです。

より実戦的になったテレビの地震報道

もっとも、その“間”で私がしたことは、東日本大震災後に一応、備えた緊急持ち出し用のバッグの在(あ)りかを頭の中に思い浮かべただけ、というお粗末なものでしたが、しかし、それだけにしても、その“間”があったことは大きいと感じました。

この日は「Nスタ」だけの地震報道に専念し、他局への切り替えはしませんでしたが、12月8日付の新聞各紙は、地震発生→津波警報に関するテレビの速報態勢が、より実戦的になったことを報じていました。

一例として「NHK」が「命を最優先にしてください」「東日本大震災を思い出してください」などの言葉を強く連呼していたことを挙げ、同様に民放各局も、私が「Nスタ」に感じた“的確な指示”を一斉に掲げ、迅速な避難を呼びかけていた、とのことでした。

テレビの民放各局が、ニュース番組で足並みをそろえる、この夕方の時間帯は、長い間、激しい視聴率争いで身を削ってきた経緯があります。が、午後7時までの2時間枠の中には、夕食の時間帯ということもあり、食欲を誘うグルメ情報などの娯楽性も盛り込まれ、本来のニュース報道性が薄れたときがあったことも確かです。

その見直しは、昨年3・11の東日本大震災が発端となった、と言われています。災害を含む緊急的な重大事が発生したとき、メディア、特に速報性の強いテレビは、何を役割とすべきでしょうか。

それはやはり、混乱する現場にあって、混乱することなく、冷静な状況説明と避難などを含めた的確な指示を、藁(わら)をもすがる思いで画面を見つめる視聴者に、しっかりと伝えること、ではないでしょうか。

今回、私が見ていたのは「Nスタ」だけでしたが、先陣を切る久保田アナの、強い口調の呼びかけにそれを感じ、その後の情報収集、状況の説明でも、メーン・キャスターを務める堀尾正明アナを軸としてまず、当該地域の人々の避難、安全を第一とする姿勢が見えていたことを感じました。

ノドもと過ぎれば・・・ではありませんが、悲劇の風化は、絶対にあってはならず、人々も、人々をリードするメディアも、緊急時の心構えを常に持っていたいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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