スーパールーキーの今年は?

さてプロボクシング界の話題です。

8人もの日本人世界王者をそろえて迎えた2013年。今年は何が起きて何が話題となるのだろうか、など、あれこれ考えていたところにタイミング良く、ボクシング好きの友人から電話が入ってきました。

その声が弾んでいます。

〈ねえねえ、凄いのが出てきたよねェ。エ~ッと・・・井上だったっけ。今年はちょっと目が離せないのでは? 楽しみだねェ〉

ああ、井上尚弥(19=大橋)のハナシ? これはもう、新年幕開け戦、1月5日(東京・後楽園ホール)の試合で話題騒然! となりました。

この試合、体重50キロ契約のライトフライ級8回戦に登場したプロ2戦目の井上は、タイのライトフライ級王者ガオフラチャーン・チューワッタナ(35)を1回1分50秒、何と110秒で左フック一撃、新人離れした戦いぶりでKO勝利を飾ったのです。

井上は高校時代、高校生初となるアマチュアタイトル7冠を達成しました。鳴り物入りで昨年7月、大橋ジム(大橋秀行会長=神奈川・横浜市西区)に入門、プロとして踏み出しました。

注目のプロデビュー戦は、同年10月2日(後楽園ホール)の東洋太平洋ミニマム級7位選手、クリソン・オマヤオ(フィリピン)でした。結果は4回KO勝利。1回に右の、4回には左の、それぞれボディーブローでダウンを奪っての快勝でした。

新人離れした「左」の技量

この段階で早くも、日本ランキングのライトフライ級6位にランクイン。今年1月のプロ2戦目も快勝! を経て、陣営が見据えるものは、今年中の日本タイトル&東洋太平洋タイトル奪取、そして2階級制覇を達成した現・WBA世界ライトフライ級王者・井岡一翔(井岡)が持つ、国内の世界王座奪取最短記録「プロ7戦目」の更新です。

井上が今後、3カ月ごとの試合スケジュールを組んだ場合、第3戦が4月、第4戦が7月、第5戦が10月・・・となりますが、順調に進めば第6戦、Ⅹデーは大みそか! といった流れになるのでしょうか。

井上の武器は、多彩な「左」と言われていますが、第2戦で相手を倒した「左のカウンター」を見て専門家筋が舌を巻いたのは、相手が不用意に出てきたところを、バックステップを踏みながら叩き込んだことでした。

井上自身は「練習してきたこと。体が勝手に動きました」と試合後、平然と話しましたが、練習をさんざん積んできても、いざ実戦になると、なかなかできないのが一般的であることを考えると、こうしたパンチを瞬間的に出せる技量は、やはり“天才的”なのでしょう。

「左は世界を制す!」とは、この世界、古くから言われていることです。左は序盤戦の探り合いの段階で欠かせないものですし、さらに距離感のつかみ方、あるいは膠(こう)着状態から打開への手段として、など、使い方には多彩なものがあります。

高校時代に7冠も成し遂げている選手ともなれば、6冠王の元世界2階級制覇王者・粟生(あおう)隆寛(帝拳)の例を挙げるまでもなく、既に技術的には完成しているといってもいいでしょう。が、こうした選手は概して技術に頼りがちになります。プロの世界ではやはり、技術に「プラスα」が必要となり、それは「大事なところで前に出る勇気や気力」など、精神面の部分なのですが、そうしてことが出来るかどうかが、これからの課題といえるでしょう。

プロ2戦を無難にこなした井上が、これから難敵との対戦が予想される中、プロとしてどんな成長を見せてくれるのか、世界王者たちの動向と並ぶ、今年の注目となりそうです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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