主要4団体公認がもたらすものは?

国内プロボクシング界が、新しい局面を迎えることになりました。

そう、JBC(日本ボクシング・コミッション)が2月18日、ここ数年、検討を続けていた、日本未公認のWBO(世界ボクシング機構)とIBF(国際ボクシング連盟)への加盟を、新年度開始の4月1日付で実施することを発表したのです。

これもやはり、時代の流れ、ときの要請、と受け止めるべきなのでしょうか。「王座の乱立阻止」を掲げてこれまで、WBA(世界ボクシング協会)とWBC(世界ボクシング評議会)の主要2団体だけに認定を制限してきたJBCですが、これにより、ついに世界の主要4団体を認めることになったのです。

“絶対ダメ!”の固い姿勢から“緩和”に向かったのは09年に入ったころからでした。JBCが、日本人世界王者とJBC未公認の主要各団体選手との対戦を「王座統一戦」に限り認める、としたのです。

その方向転換を受けた第1弾が、10年5月に行われたWBC世界バンタム級王者(当時)長谷川穂積(真正)の同級王座11度目の防衛戦でした。相手はWBO世界同級王者のフェルナンド・モンティエル(メキシコ)です。

長谷川穂積が投じた“一石”が・・・

国内で王者同士による対戦は初めてとなったこの試合、WBOはJBC未公認団体のため、長谷川が保持するWBC王座だけが懸けられるタイトルマッチとされ、長谷川が勝てば、同級王座のV11成功、モンティエルのタイトルは剥奪。長谷川が負ければ、モンティエルがWBOとWBCの2団体統一王者となる、という、タイトルの移動に関しては、変則的な試合となりました。

結果は、長谷川の4回TKO負けとなりましたが、こうした形の試合が行われた背景にあったのが、破竹のV10を続けていた長谷川に、防衛戦の相手が簡単に見つからなくなった、という厳しい現実でした。

団体の増加や団体内の王座の複数化は、王者の乱立、ベルトの権威を低下させるもの、として多くの批判がありますが、それはそれで正論としても、世界の流れは、例えばマニー・パッキャオ(フィリピン)のように、従来のルールでは括り切れない、階級を超えた“信じ難い”戦いが、実際に行われ、また、世界王者の防衛戦にしても、王者が複数存在するのなら、統一戦に向かうことが当たり前として対戦が練られる以上、JBCも、決められた“制限内”だけではなく、そうした事実に目を向けなければ、世界のすう勢から取り残されてしまうでしょう。

先日、ボクシング関係者と雑談していたところ、やはり、その問題がテーマとして出ました。つまり、これからは、世界王者になることより、防衛することの方が難しい、という時代を迎えることになるだろう、ということです。

防衛することの難しさについては、精神面の重圧が倍加することなど、そうした面は以前から言われていることですが、これからの防衛戦の難しさは、そうしたことではなく、つまり、誰とどういう形の防衛戦を行うか、という内容の部分です。

JBCが主要4団体を公認する4月1日以降は、これまで“好ましくない”とされていた「王座の乱立」に向かうでしょうし、その一方、ファンにとっては“好ましい”ことかもしれない「王座の淘汰」もまた開始されることになります。

そうした変化が起爆剤となってプロボクシング界が活性化されるかどうか-。今年1年を見守りたいと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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