日本への感謝は激勝で! の思いを見た

このところしばらく、原稿のテーマ選びから、格闘技ジャンルは遠ざかっていたのですが、ファンはありがたいものですね~。熱い声援で大会を盛り上げ、リングを盛り上げ、今なお“健在!”を演出してくれているように感じられました。

観衆1万4682人(主催者発表)を集めて開かれた、昨年に続く米総合格闘技リング「UFC」の日本大会(3月3日開催=さいたまスーパーアリーナ)です。

私自身は大会当日、どうしても欠かせない所用のために会場に足を運べず、同日正午からのWOWOWの生中継も見られず、やっと触れることが出来たのは、3月5日(午後11時~)の再放送(あ~あ、何と遅いこと!)で、でした。

そして・・・この日本大会、出場した6人の日本人選手以上に責任感を背負い、自らの役割を熟知して献身的に仕事をしてくれたのが、メーンイベンターの元PRIDEミドル級王者ヴァンダレイ・シウバ(36=ブラジル)だったのではないでしょうか。

ライトヘビー級の5分5R。相手は元WEC世界ライトヘビー級王者のブライアン・スタン(32=米国)です。米海兵隊出身のスタンは06年、イラク戦争での活躍に対し勲章を授与されてもいる屈強の実戦的ファイター、シウバとの打撃戦がどんな結果を生むのか、戦前から注目を集めていました。

冒頭に「今なお“健在!”」と書いたのは、実はシウバに向けてのものでもありました。ともに後には引かない構えの真っ向勝負! お互いのパンチがきわどくかすめるたびに腰を落としたり、スリップしたり、とスリリングな展開の末に2回、シウバは左右のフックを得意のカウンターでスタンの顔に叩き込み、KO勝ちしました。

シウバの激勝を久々に見て思わず、懐かしさがこみ上げました。日本の総合格闘技リング「PRIDE」で、このブラジルからやってきた“戦慄の膝小僧”が一躍、脚光を浴びたのが01年3月、PRIDE-13での桜庭和志(当時31歳=高田道場)戦でした。

引退説を吹き飛ばす“らしさ”復活!

この対戦カードが発表されたとき、シウバは「サクラバのワイフが、自分の亭主だと分からないほど、顔をボコボコにしてやる」と過激なメーセージを送り付け、それを受けた桜庭は「顔も怖いし打撃も怖い。作戦? スキンヘッドだから滑らない方法を考えなくちゃ」と相変わらずの“39(サク)節”でとぼけていました。が、この試合、実はもう一つ、見逃せない出来事が加わったのです。

それに関して私は、当時のスポニチ本紙にこう書いています。

〈・・・しかし、笑ってはいられないのが、オフィシャル・ルールの一部変更だ。反則の規定変更で、うつぶせの相手への頭部、顔面への蹴り、膝蹴りが解禁されたのだ。桜庭は「そういうルールなら、それなりの防御を考えるから大丈夫」と意に介さなかったものの、01年第1弾の相手が、限りなく危険な相手となったことは間違いない〉

試合は、悪い予感通り、この新ルールに沿ったシウバの猛攻で桜庭はボッコボコにされ、レフェリーストップで敗れました。ミドル級の日本のエース、グレイシー・キラーのヒーローは、その後の再戦、再々戦でも、シウバに歯が立たず、主役の座から引きずりおろされてしまったのでした。

その試合から13年が経ちました。PRIDEが消滅し、主戦場をUFCに移しても、シウバは、もう36歳、体力的な衰えも指摘されています。

しかし、シウバは、久々に日本のリングに立ち、久々に日本のファンの声援を受け、かつて、日本のヒーロー・桜庭を主役の座から引きずりおろしてもなお、拍手を送り続けてくれた日本のファンへの感謝を忘れず、全盛時を思わせる“過激さ”でスタンを殴り倒しました。

「なぜそんなに非情に相手を殴れるのか?」の問に「相手をリスペクト(尊敬)しているからだ。リスペクトできない相手とは戦えない」と常に口にしていたシウバです。

スタン戦のシウバらしい勝利がきっかけとなり、今後また、UFCでも強さを復活させるかもしれませんね。それが楽しみです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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