一線級のプロ選手に備わっているものは?

MLBで活躍するダルビッシュ有投手(26=レンジャーズ)や黒田博樹投手(38=ヤンキース)を見ていて感心させられることは「調子の悪いときは悪いなりにしのぐ術」を身につけていることです。

ダルビッシュが5勝目を挙げた4月30日(日本時間5月1日)のホワイトソックス戦-そのときの内容は、今季初の本塁打を浴びるなど、6回を投げて被安打7、失点4、と味方打線の援護がなければ負けても仕方のないものでした。

そうした苦闘の中でダルビッシュは、あれこれ考え、前回好調だったフォーシームを捨てて軸をツーシームに切り替え、さらに制球に自信を持つスライダーを決め手にするなどして窮地をしのぎます。

当地で取材に当たっているスポニチ本紙の担当記者は〈毎回、絶好調の状態はつくれない中、どう工夫するか、という「引き出しの多さ」を発揮した試合〉と報じていました。

その日、アストロズと対戦した黒田も、7回無失点で4勝目を挙げたものの、内容は「今年に入って一番悪い出来。フォームもリリースポイントもバラついて、どうしようもなかった」と本人が振り返るほどの調子の悪さでした。

黒田もまた、こうした中でマウンドに立ちながら、あれこれと考えます。セットポジションに切り替えて投げるなど、苦肉の策であろうと何であろうと、引き出しの中から持てる策を引っ張り出して、アレがダメならコレ・・・と対応していきます。

こうした「引き出しの多さ」や「局面に応じた多彩な戦い方」は、世界のトップに位置する一線級の選手には、欠かせないもの、と言われます。

そして・・・もう一つ、派手さはありませんが、女子プロゴルファー・横峯さくら(27=エプソン)の地道に積み重ねた「92試合連続予選通過」というJLPGAツアー新記録も大変な偉業です。

「悪いなりにしのぐ術」はあるか?

何しろ2010年4月から延々、積み重ねた数字の裏には、ショットの不振で未勝利に終わった昨年などは「何度も予選落ちが頭に浮かんだ」(横峯)という苦しいときもあり、それを乗り越えての記録樹立は、まさに“鉄女”のなせるわざ、と言えるでしょう。

プロゴルフに限らず、年間を通して試合をする競技は、シーズンが始まる前の備えこそが大事、と言われます。プロ野球などは2月のキャンプでの過ごし方が一番大事、とされますが、それはシーズンが始まってしまえば、試合に追われ、スランプに陥っても簡単に修正が効かなくなるからです。

プロゴルフの世界では、年間を通して好不調の波の幅をどれだけ小さいものにするか、が一線級のトッププロには問われます。その意味で横峯の記録は、やはり、調子の悪いときは悪いなりしのぐ術、を持っている証明ではないかと思います。

残念だったのは5月3日、敵陣のタイに乗り込んで敗れたプロボクシングのWBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(29=協栄)でした。

佐藤の持ち味である「マジカル・ボックス」と言われる、変幻自在のフットワーク、相手を幻惑させるトリッキーな動き、が普通に出来ていれば、挑戦者のシーサケット・ソールンビサイ(タイ)など、別にどうということもない相手だと誰もが思っていたはずです。

が、試合は、序盤からシーサケットが前に出て攻め込み、佐藤はと言えば、相手の接近にアウトボクシングを封じられ、接近戦に付き合ってしまっていました。これでは勝ち目がなく8回、連打を浴びてレフェリー・ストップのTKO負けとなってしまいました。

敵地タイでの防衛戦だとか、当地では日本人選手が連敗していることとか、またタイ独特の暑さとか、さまざまな条件が重なっていたことと思います。また、表面的には分からない、体調面の悪さがあったのかもしれません。

とはいえ、これだけ自分のボクシングが出来ない状態になってしまったことには、どうにも納得できないものがあります。

佐藤には、調子の悪いときは悪いなりにしのぐ術、がなかったのか、とそれが残念でなりませんが・・・。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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